内容説明
旅立つ人の本当の気持ちを伝えたい。しあわせに死ぬためにはどうすればいいのか、著者は、本書を通して一人でも多くの人が「看取り士」という存在を知り、生きる意味や死の意味に気づいてほしいと願う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッシャ
5
考えさせられる内容です。 星3つ⭐️⭐️⭐️2020/01/21
rubyring
1
死を不幸とすることで人生全体が不幸なものになってしまっている現代社会に、幸せな人生を取り戻すには、かつての日常生活のなかに死が組み込まれていた文化を取り戻す必要がある。死を看取る経験から伝えられる内容は、死によって人は浄化されていくこと、残された者たちに力を与えていくことなど、死に対する観念の一変である。死を受け入れるための「内観」にも注目。現代人の必読本と思う。2016/06/05
かよこ
0
先日いきたひというドキュメンタリー映画を観たときに初めて知った看取り士の柴田久美子さん。 私の死のイメージをより温かいものにしてくれた。生と死は医療ではなく、暮らしの中にある。大切な人たちとお別れして身体から抜けて自由になる。いつかこの世に身体を持ってやって来たのと逆なだけ。人は死を受け入れた時に仏さんになる。そこから放出されるたくさんのエネルギーを命のバトンとしてもらい、より良く生きていくという綿々と続く人の命の素晴らしさを確固としたものにしてくれた。ありがたい。2016/08/08
okatake
0
自ら「看取り士」と名乗り始めた彼女。そのきっかけは幼い頃の父親の死に立ち会えたことです。ただ、看取り士などと名乗らざるを得ないということは現在の死の様相を示しています。「生」はプラス、「死」はマイナスではなく、一人ひとりの命の始まりと終わり、そしてその命は一人の線から引き継がれつながり面となっていく。一人の命が大きな広がりをもっている。そのひとつの面を担っているのが著者たちの活動なのかな。豊かな死、肯定的に見る死を考えていくことができる良書です。2016/01/19