内容説明
心にじいんとしみいる大人の恋、子供の頃に読んだ忘れられない場面、まぼろしの文庫についてなど、多彩な読書エッセイ集。
※本書は、平成九年七月、小社より刊行された単行本『活字浪漫』を改題し、文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
67
僕は小学校から今まで、多分毎年200冊以上の本を読んでいる。生きるためにそれほどの読書を必要とするのは、自分の何かしらの欠如によるもので、「この読書量は恥ずべきことだ」と思っていた。でも、目黒考二を知って救われた。若い頃の目黒が草森紳一「底のない舟」の「あの雑文群の総体こそが、魯迅の悲壮な栄光であったのである」という文章で覚悟を決める。「自分は多分作家にはなれないだろう。評論家にもなれないだろう。一生、本を読む人でいい。一生、雑文を書く人でいい。、、、椎名誠と『本の雑誌』を創刊する2年半前のことである」→2023/01/28
キク
44
すごいタイトルだけど、作中では椎名誠から夕方にかかってくる「打ち合わせしようぜ」という仕事の電話まで敵に認定しかかってて笑える。若い頃、結婚を考えていた女性に、彼女の1番好きなケストナーの「2人のロッテ」について感想を聞かれ、よく分からなかったとは言えず、なんとか褒めようとしている時「あ、自分は今嘘をついている」と思ったことが、長い読書人生の中での唯一の嘘だという。その彼女に「一生、本を読まないって、できる?」と聞かれ、何も言えずに終わった。賢い女性だったので、私の弱さを見抜いていたのだ、という。→2021/06/06
こむこむ
11
タイトルが良いね。私は装幀も好きなんだけど、ハードカバーになると持ち歩きたくないから、文庫が好き。面白くなかったら全部は読まないので、短編が好み。私は、酒もギャンブルもやらないし、生活を共にする人もいないから、読書の最大の敵は眠さかな。1日5時間くらいは寝るようにしてるけど。真ん中くらいの2段組のところは頭に入ってこないので読んでない。新聞とか読まないので短く折り返されるのは苦手かな。2024/01/16
takeapple
11
目黒考二さんの訃報に接して、読み返して見ました。はじめて本の雑誌を買って以来、読書の師匠だった目黒考二=北上次郎がいないこの世界でどうしたらいいのだろう。もうこれを書いている目黒さんはいないけれど、ここに出て来る本を探して読んでみようかな。本についての考えとか、私と同じ考えだって、当たり前だよね、目黒さん北上さん、本の雑誌が師匠で、それを真似てきたんだもん。2023/04/16
山田太郎
5
確かに家庭は読書の敵だ。ということで、今から一緒に買い物に行ってきます。2009/05/10