ベルクソン=時間と空間の哲学

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ベルクソン=時間と空間の哲学

  • 著者名:中村昇【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2014/02発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062585705

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内容説明

ものごとは、けっして絵のように止まっているのではない。常に流動している。〈わたし〉の体だって変化し続けている。したがって、ものごとは、本当は流れたり、変わりゆくものとしてとらえないと、本質はわからないのではないか。ベルクソン哲学のポイントはここにある。時間の流れを「持続」という独自の概念でとらえ、記憶の蓄積こそが存在の鍵を握ると考えた、ユニークで重要なベルクソンの哲学を現代的な視点で読み直す快著。(講談社選書メチエ)

目次

第1章 ベルクソンの哲学(補助点としての“わたし” きこえてくるせかい ほか)
第2章 「持続」とはなにか(時間は持続である 持続という空間 ほか)
第3章 純粋持続批判(直観と記憶 質ということ ほか)
第4章 持続は記憶である(『持続と同時性』について 持続ふたたび ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

16
ベルクソンは言語による等質化、空間化を嫌い、直観を練り上げ純粋持続自体の内側に潜り込もうとした。ところが、その純粋持続自体が、メタなレベルでは言語による空間化を前提としてしまう。このアポリアを基本的に問い詰めた本だが、著者の誠実性は伝わるものの、やさしい語り口なのに話がくどすぎていて解説書としては難がある。むしろ、ベルクソンを十分知っている読者に向けての批判的注釈であり、あくまでベルクソンを通してある哲学の入り口に立てるに過ぎない。よくも悪くもすっきりした本ではないと言える2014/09/05

呼戯人

13
ベルクソンの持続の概念に焦点を合わせた「わたしは何故生きているのか」「そもそも生きるということはどういうことか」という問題に切り込もうとした著作。持続こそ時間であるというベルクソンの主張にも、純粋持続、純粋知覚といった概念を立てるとそこに空間化と物質が立ち現れる。いま、ここ、わたしという現在の瞬間を捉えようと思っても言語による概念化では捉えようもない事を論証しようとした本。すべては記憶やイマージュや言語の媒介を経ないと掴む事の出来ない現在のわからなさを論述している。これからまたベルクソンを読んでゆこう。2019/02/13

またの名

13
典型的な「われわれはなぜ生きているんだろう」という問いから書き出し、結句で再び同じ問いに戻ってしまったと書いて終わる悪無限ループの解説書。しかしベルクソンの哲学をただ解説するにとどまらない考察は、いくら本人が事実上ではなく権利上のバーチャルな存在として純粋持続や純粋記憶、純粋知覚を指し示したにしても、時間vs空間という図式が本当は成立しがたいことを明らかにする。ひとつのテーゼに安住せず常に問い続ける迷いながらの筆は誠実だけれどもベルクソンに忠実ではないので、純粋にベルクソン入門を望む向きは他もあたるべき。2016/05/28

さえきかずひこ

8
持続という概念、それからベルクソンの言う純粋持続の概念的な矛盾を徹底的に考察する一冊。ベルクソンは時間を空間化してとらえることを否定したが、持続することそのものにつきまとう空間性は否定できないとする筆者の考えはとても説得的である。これらの思考のへめぐりが筆者の存在論的かつ実存的な問いに結びついて展開されるところも読みやすい。根源的という意味でラディカルなベルクソン時間論入門である。2017/08/07

ひろ

5
言葉は便利だけど、一定のラインで意味が固定されてしまうから難しいと思う。受けて側がどのように捉えるかで、同じ単語であっても伝えたい部分がきちんと伝わらないこともあるだろう。そして、図が在るためには地が在る。という考え。そもそも空間とは?本書で何となく掴めかけてきた気がするが、まだまだ不明瞭な部分が多い。研究資料のちょとしたヒントにはなったかなぁ。2015/02/01

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