原因を推論する - 政治分析方法論のすゝめ

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原因を推論する - 政治分析方法論のすゝめ

  • 著者名:久米郁男
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 有斐閣(2013/11発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784641149076
  • NDC分類:311.16

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内容説明

実際に起こる政治現象を、印象論ではなく客観的にとらえ、なぜその現象が生じたのかを経験的・実証的に分析するには、どのような作法に従えばよいか。政治学だけでなく、広く社会科学を学ぶ読者を対象に、身近で一般的な社会現象や政治現象を題材に解説する。

目次

序 章 説明という試み
第1章 説明の枠組み─―原因を明らかにするとはどういうことか
第2章 科学の条件としての反証可能性─―「何でも説明できる」ってダメですか?
第3章 観察、説明、理論─―固有名詞を捨てる意味
第4章 推論としての記述
第5章 共変関係を探る─―違いを知るとはどういうことか
第6章 原因の時間的先行─―因果関係の向きを問う
第7章 他の変数の統制─―それは本当の原因ですか?
第8章 分析の単位、選択のバイアス、観察のユニバース
第9章 比較事例研究の可能性
第10章 単一事例研究の用い方
終 章 政治学と方法論
ちょっと長い、少し個人的な、あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

110
政治学における理論的分析方法論で私はこの内容についてはかなりほかの分野でも利用できるのではないかという気になりました。ある意味日本にはない交渉学的な見地から読んでみると非常に面白い気がします。また企業における組織論にも応用できるのではないかという気がしました。2017/02/06

chanvesa

19
「ハロー効果」(116頁)は、よくある話で、気をつけないといけない。ビッグデータという言葉が前面に出ているとそれだけで統計的に正しいと信じてしまう。選挙の事前予想も昨今の高い精度で事前に発表されると、投票行動に影響が出ることが、さらに事態が深刻になっているような気がする。2017/10/28

izw

11
ある事象を説明するとは、その原因を探り、なぜその事象が生じたかを論理的に納得がいくように推論することである。相関関係があっても因果関係を確認することは難しいことはよく言われるが、政治学が対象とする事象は一回性が強いことが多く、その中で原因を特定しることはほとんど不可能に近い。その状況で研究を進めるためには研究方法そのものを洗練していかなければならないのだ、ということがひしひしと伝わってくる。政治学を対象に記載されているが、すべての研究分野に共通する方法論に通じる重要なスタンスを垣間見ることができる。2018/07/20

あんころもち

11
最近この手の本を色々読んでるが、最初に読むべき本はこれだし、色々読んだ後に手元に残しておくべき本もこれだと思う。因果関係を推論するための手法をざっと網羅し、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく紹介してくれてありがたい。2017/07/22

Haruka Fukuhara

9
冷静な記述で、なるほど政治科学者とはこういう文章を書く人たちなのか、と思った。よく覚えていないが学部時代に他大の先生なのにわざわざ読まされた気がして、年配の大家か故人かと決めつけていたらまだ若い(という程でもない:1957年生)先生で意外だった。大嶽の丸山批判が紹介されていてなるほどと思うと同時に、今でも政治科学の仮面を被った丸山的な精神の持ち主は多くてそれが政治科学の評判を下げている気がした。本当に価値に中立的な姿勢を貫くことが出来れば、政治科学も有用な分析ツールになりうると思えた。2017/05/08

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