町村合併から生まれた日本近代 明治の経験

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町村合併から生まれた日本近代 明治の経験

  • 著者名:松沢裕作【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 講談社(2013/12発売)
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  • ISBN:9784062585668

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内容説明

明治七年の町村七万八〇〇〇、明治二二年の町村一万六〇〇〇弱。明治の大合併、それは新たな境界線を社会に引く試みだった。あいつぐ町村からの異議申し立て、合併後も紛争を抱える自治体……。近世の地縁的・身分的共同体というモザイク状の世界から、近代の大字-市町村-府県-国家という同心円状の世界へ。府藩県三治制、大区小区制、そして明治二二年の大合併にいたる「地方制度」の変遷をたどりながら、近代社会を問い直す。(講談社選書メチエ)

目次

はじめに 境界を持たない社会・境界を持つ権力
第1章 江戸時代の村と町
第2章 維新変革のなかで
第3章 制度改革の模索
第4章 地方と中央
第5章 市場という領域
第6章 町村合併
むすび 境界的暴力と無境界的暴力

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

35
グローバリゼーションと国民国家は、相互に依存しながら、私たちの暮らしに大きな力をふるい続けている。新自由主義と新保守主義の併存ともいえるこの現実世界を、明治以来の町村合併の歴史から解き明かそうとする面白い試み。国や自治体など様々な境界線の意味するところを再考するきっかけになりました。2018/02/01

かんがく

16
かなり面白い。近世の百姓村から明治の大合併による自治体創出までの日本の地方制度を扱うという一見地味なテーマだが、そこから国民国家(境界)と市場経済(無境界)の関係性という大きなテーマに至り、現代世界への分析を加えているのは刺激的。実例も豊富で、江戸の町村の特徴と、いかにしてそこから日本の地方制度が確立したのかがよくわかった。2020/04/06

壱萬弐仟縁

12
同領主を持つ村々で類似用件があれば、まとまった方が合理的だから組合村が形成(42頁)。その合理性だけで集まったのか? 現代の市町村合併は、飛び地合併で、なぜ奈川村が松本市になったのか? という問いに窮するケースもある。昔は地理的なまとまり重視になっていたのは理解できるとはいえ・・・。今の合併もそうだが、大きくなることはいいことだ、という成長神話が見え隠れする。モッセの自治論は、日本の実情からするとそのまま理論のようにはいかなかった。自治の思想が存在しない(167頁)。ウォーラーステインも出る(206頁)。2014/01/25

ジュンジュン

10
資本主義、市場経済の荒波に乗り出した明治政府。近世社会から近代社会へ組み替える過程を追いながら、近代とは?国民国家とは?を考える。読み解くキーワードは”境界”。境界なき市場の荒波を受け止めるため、防波堤として政治権力で境界を築いていく。久しぶりの衝撃。そもそも近世社会の実態が分かっていなかったので、冒頭からガツンとやられた。2024/02/23

Hiroki Nishizumi

4
無境界的な資本の活動と境界的な国家権力の対比について問い直す意欲的な本であることはよく分かった。ただ自分には時期尚早なのか読了してもあまりピンと来なかった。2017/12/01

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