ちくま文庫<br> パンダの死体はよみがえる

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ちくま文庫
パンダの死体はよみがえる

  • 著者名:遠藤秀紀【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2014/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480430601

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内容説明

現代社会では“生ごみ”扱いにされてしまう動物たちの遺体。しかし、そこには生物の進化の謎を解き明かすヒントが詰まっている。遺体を注意深く観察し、辛抱強く対話を続けること。すると、やがて遺体は隠された秘密を私たちに語り始めるのだ。「遺体科学」が到達した豊かな知の世界を、モグラからゾウ、そしてパンダまで、あらゆる動物遺体と格闘する解剖学者の日々を通して垣間見せてくれる格好の入門書。

目次

第1章 息絶える巨象(死の現場 モノとしての遺体 ほか)
第2章 パンダの指は語る(人気者との再会 不器用なクマ ほか)
第3章 語り部の遺体たち(旅の真相 ハプスブルク家のコウモリ ほか)
第4章 解剖学から遺体科学へ(パンダは臭いか 遺体を集め、遺体に問う ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おーすが

14
動物の遺体に向き合い、どこにどう学術的に価値を見いだすかを検討する筆者のまなざしは、素材の味をあますところなく引きださんとする一流シェフのよう。ゾウ解体の臨場感。パンダに7本目の指の発見!の興奮がつたわる一冊。アリクイと猿人類の頭骨の差から、生存戦略と優先事項を読み解くところが素敵。ヒトは脳を保存するために、丸い頭を手に入れた。2020/04/13

yamakujira

8
動物死体の保存に尽力する解剖学者の現場記録と研究発表と現状批判、読みやすい本なのに鬼気迫る迫力が伝わる。動物の死体をあえて「遺体」と呼ぶのには違和感があるけれど、体組織を試料として使いながら死体を忌避する学者への非難は共感できる。パンダの「偽の親指」にまつわる新発見は、動物学的にすごいと思う一方で、どうでもいいじゃないか、という冷めた感想も心の隅に生じる。でも、役に立つのかわからない物事を究めるのが学問なんだよね。営利に走る大学や博物館への批判は、世の中すべてに向けられてるんだろう。 (★★★☆☆)2016/01/05

ラウリスタ~

8
門外漢が読んでも分かりやすく、学問の本質を突き、そして営利会社と化す現在の大学のあり方を厳しく断罪する本。動物の「遺体」をしっかりと解剖し、保存することがどれほど学術研究において重要であるかということについて、こんこんと語られる。こういった学問の基礎の基礎に関しては、日本は未だに三流国のようだ。一年、二年で結果の出る、金になる研究ばかりを要求する現在の大学、博物館全体に対する深い怒り。2014/04/08

Mark.jr

3
動物の遺体を解剖し、構造を研究する遺体学の権威による入門エッセイです。登場する動物の遺体は、タイトルにあるパンダだけではなく、ゾウ、レッサーパンダ、ツチブタ、センザンコウ、マングースなどなど、相当幅広いです。特にゾウのような大型の動物の解剖は、ちょっと解剖しづらい分、解体ショーを観るかのような面白味があります。なにより、人類への遺産として、これら動物の遺体にかける著者の凄まじい熱意が、最大の読みどころでしょう。2022/02/09

yuk

2
面白科学本的なものを想像して読んだのだけど、研究への情熱と現代社会・研究機関としての大学の在り方への皮肉、怒りが強くて感情の温度が高く面白い。動物に関する部分はわかりやすく、やさしい。2017/07/22

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