内容説明
高橋真澄が独自の感性で撮る北海道、美瑛・富良野の幻想的な風景。それらを四季に分け纏めた魅力満載の写真集の冬版。冬は、様々な形となって私たちを魅了する。この季節しか見られない風景が北海道にはたくさんあります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
170
大空からゆっくりと吹かれながら、結晶ひとつひとつがそれぞれの形のまま、結氷に集まって煌めいている。ようこそ。雪の稜線は滑らかに大地に沿って広がり、ただ風の音だけが聞こえ、足跡が残っている。また音もなく降りてくる。先ほどまでの青空は幻のように、空までも白に覆われ樹形だけが蒼く染まる。風がやみ、陽は沈み、影は流れる。漆黒の世界へ。今宵は星ひとつさえ見えないけれど、夜が終われば朝がはじまる。天使が空から舞い降りる季節。月あかりに梢は照らされ、光は一瞬で景色を変え、今このときを移す。鳴きながら凍る湖も静寂に眠る。2023/02/05
びわこっこ
37
京都の出版社に勤務する友人の寄贈本。一昨年、札幌のブックホテルに泊まった際に、部屋にセレクトされて、置かれていた本は、大型書店のブックコンシェルジュによるもので、2冊あった。テーマは、「旅」と「ミステリー」で、その時の旅の本が、この写真集だった。購入しようかと奥付を見たら、友人の勤める、写真を主に扱う出版社から出ていた。帰って直ぐに連絡を取ったものの、スッカリ忘れていた。宅急便コンパクトで送られてきた写真集の表紙は、美瑛の丘に立つ🌲の写真。懐かしい光景が思い出される。🌌2023/02/10
雨巫女。@新潮部
12
《書店》雪景色に、九州人は、つい憧れてしまう。こちらでは、なかなか見れない風景ですね。2012/10/24
日奈月 侑子
5
「天使が舞い降りる季節」「蒼い影はじっとしていない」「雪が降る、風がないと音が消える」 凛と澄んで張りつめた冬の空気が伝わるような一冊。凄く好き。言葉選びのシンプルさが、鈴のように静かに胸に響いて来るようです。とにかく全体を通して凄く静かで神聖な空気感で、その場に居なくても雪を踏みしめるぎゅっぎゅっと言う音が聞こえてくるよう。写真や文字の背景に使われている青や黒が、静謐な雰囲気をより引き立ててるような感じです。言葉は少なく、写真で語って来る感じ。手元に置いて、春の気配を感じる今ぐらいの時期に読み返したい。2017/02/22
Tomokazu Kumada
4
何もない真っ白い雪原・真っ白い空に少しの青、そんな中にぽつんと生えている1本の樹。シンプルな表紙の写真に惹かれて手に取りページを捲ってみると、自分が住んでいる北海道のよくある冬景色が広がっている。見慣れた景色のはずなのに、プロの写真家が撮るとこうも美しい自然だったのかと気づかされる。何気ない風景・植物・動物なのに眼が離せなくなる、北海道の冬を切り取ったステキな写真集です。2012/11/02