講談社学術文庫<br> リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師

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講談社学術文庫
リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師

  • 著者名:渡辺幹雄【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 講談社(2014/10発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062921305

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内容説明

分析哲学の学統から頭角を現しながら、ハイデガーを愛好し、「文化系左翼」批判とリベラリズムの擁護を謳う、「稀代のソフィスト」にしてアイロニスト。この知的巨人は、いかなる理路で「基礎」としての哲学の終焉を告げたのか。変幻自在で挑発的な言辞を丹念に腑分けし、その背後にある思考を体系的に読み解く。ローティの真価は、ここに明らかとなる! (講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

8
「慇懃なる無視」という功利主義的なミニマムのリベラルコミュニティを、感情をめぐる戦いの帰結としての連帯の責務(最小公分母としての「残酷さの回避」)で持続させる感じ。感情の戦い(=「私」)は自由に選択可能な目的によっていて、リベラルコミュニティ(=「公」)は、スピノザの実体-様態関係と並行する「重なり合うコンセンサス」、フロイトの局所論的な人格内の区別、会話の形式的条件などとして「私」から区別される。ローティの立場がポパーやノージックに近いとか、現状の制度変更に関して中立というガッティングの話もよい。2024/04/16

hitotoseno

6
つまらなくてビックリした。そもそもこの程度の議論ならローティやロールズを持ち出すまでもなく、本書で敵とみなされているカントだけで十分である。カントは理性に思弁と実践の二種類があることを説明したが、両者は各々の領分を有し、暴走しがちな実践理性を制御するために思弁理性があり、かたや冷酷になりがちな思弁理性だけでは補いきれないものとして実践理性があるとしていた。言わばこれはローティが規定しているとされる政治(実践理性)と哲学(思弁理性)の区分にあたる。これがさっぱり検討されないから隔靴掻痒極まりない。2016/10/23

またの名

6
ポスモダ文化左翼が糞味噌に批判されてて読んでる間涙目w 諸言説が優劣なく並列する言語ゲームの中でプラグマティックに有用な言説を採用していく反素朴実在論的なローティからすれば、一面では有効なポストモダンも、公と私を直結させるプラトニズムを免れずしかも旧左翼よりも生産的な政治活動を展開することができないので有害となる。異端を装ったソフィストに見えながらごく常識的なローティを、理論でも実践でもかなりの人が受け入れているのが多分現状(某浩紀とか)。急にべらんめえ調?みたいになる語り口と本文より長い註が特徴的。2013/08/05

Bevel

4
制度や公的なものの方法への関わり方が面白かった。カントやデリダの解釈には不満があったけれど、哲学を個人的な宗教のようなものに切り詰めることがローティの目的だろうから、その程度でよいのだろう。すべては常識が自然に行ってくれるという立場だなとか、個人が普遍的なことをどこまで言えるかみたいなことをはっきりさせた人なのかなって思った。2012/11/14

やまだてつひと

3
哲学本というのはこういうのだったなぁ再認識させられた本。 ローティの哲学の事を知りたいのに理解するために「ロールズ」についてや「ローティの政治哲学」など幅広く話を進んでいき理解できていない事が大半だが、その中で腑に落ちた内容があった。言語ゲーム的に「知識」と「意見」の違いを説明している箇所は物凄く納得出来た。  共有している言語ゲームの中で、仲間内から排除されるのが「知識」排除されないのが「意見」という話は色々派生出来そうで良かった。2024/04/30

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