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内容説明
3.11で我々に突きつけられたのは、文明の限界である。人間がテクノロジーによって自然を飼いならし、開拓し続けることには限界があり、終わりなき成長は夢でしかないと露呈した。早晩、世界が直面するであろう文明の壁に真っ先にぶつかった日本。国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史家が、天災・テクノロジー・エネルギー・経済成長の関係を人類史的に読解しながら、日本が描くべき新しい時代へのヴィジョンを提示する。【目次】はじめに 菅野稔人/第一章 天災が日本人をつくってきた/第二章 テクノロジー・権力・リスク/第三章 テクノロジーはどこへ行くのか/第四章 エネルギーと経済のダイナミズム/第五章 国力のパラダイム・シフト/おわりに 神里達博
目次
はじめに 菅野稔人
第一章 天災が日本人をつくってきた
第二章 テクノロジー・権力・リスク
第三章 テクノロジーはどこへ行くのか
第四章 エネルギーと経済のダイナミズム
第五章 国力のパラダイム・シフト
おわりに 神里達博
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
8
マクロな視点で語られる文明論。印象に残った話は、自由とリスクは表裏一体・テクノロジーも環境・刀狩りと権利の抽象化・社会でのリスクの分散・国家の原型としての土木工事など。対談形式で広く浅い感じなので、ひとつの感想にはまとめにくいですが、自然・テクノロジー・リスク・経済などの事象がつながっていく内容は刺激的で面白かったです。2012/07/26
ジュール リブレ
6
日本は変われるのでしょうか? 確かにこれだけ課題が積まれると、全部をいっぺんに解決はできないよね。。。でも、問題があることを理解して、前に進まないと、ほんとに何にも出来ずに動けない。そんな日本にしているのは自分たち、というのを改めて思った。2012/03/01
小鈴
5
ツイッター上で評判の高い本だが噂に違わず良書であった。「文明の没落」のいうところの文明とは農耕文明のこと。農耕で生産力が高まり更に人口増加と生産拡大、都市化、富の集中、軍事力の増大。生産拡大にはエネルギー問題は不可欠で核エネルギーに到達した人類は、311を経験する。農耕文明は資本主義システム経由して地球の隅々まで近代化を推し進めたが、果たしてこの先に待ち受けているものは何か。不透明な時代の不透明な要因を明快にする対談はスリリング!但し、最後の方の江戸時代に回帰するような社会制御論は甘いと思った。開いたあ2012/03/12
カインズ
5
【経済以外の点は良い】天災、テクノロジー、リスク、エネルギーといったことについて論じる対談本。様々なテーマについて論じているため、やや掘り下げが足りないと感じるところもあるが、豊富な引用を含めた議論が興味深い。しかし、経済に関しては、日本が成長できない、財政破綻してしまう、増税が必要だというような悲観的な立場からの問題提起であり、全く同意できなかった。デフレ期の増税は、デフレを加速させるし、財政破綻の定義も不明であるからだ。需要と供給のギャップを埋め、GDPを押し上げる公共事業を行えば済む話であろう。2012/02/21
まちなかのノコギリ屋根
3
おそらく本書の全ての感想を一つの文章でまとめるのは難しいと思う。間違いないのは今が歴史の転換期で次が見えていないこと。それの導入として考えるには良書だと思います。2019/05/15