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内容説明
ヒトラーの支配妄想を成就させようと画策したナチスドイツ。弁は立つが猜疑心が強く気分屋のヒトラーに、なぜ有能な側近たちが追随したのか。ゲーリング、ヘス、ハイドリッヒ、アイヒマン、ヒムラー、ゲッベルス……独裁者を支えた側近はどのように対処し振舞ったか。過激な若者集団が世界に巻き起こした悲劇の実相をえぐる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
69
2011年刊。ヒトラーの側近の評伝というよりはヒトラーの歩みをその周囲の人物と絡めながら概説したもの。なので例えばヒムラーやリッベントロップなどの人物像を詳しく述べたわけではない。また逆にヒトラー暗殺を企てて失敗したシュタウフェンベルクについては、結構詳しく経歴などが述べられている。ヒトラーに対しては、その独特の思考パターンが浮かび上がってくるが、断罪口調ではないのでさほど厳しく責め立てる感じもない。むしろゲーリングのどうしようもなさとか、ゲッベルスの盲信ぶりが際立っている印象。読みやすい本ではあったが。2023/02/04
さきん
33
ヒトラーを支えた側近に注目する。ヒトラーの政界入りきっかけになった人や党の実務、組織運営に貢献した人、建築の趣味から仲良くなった人などなど。ヒトラーの人間としての魅力、政治に傾ける情熱や高い政策実行能力があってこそ、貴族やインテリ、お金持ちを味方につけていくことができたということがよくわかった。2018/07/22
yumiko
32
第三帝国関連のものを読む度、その組織と人物がよく分からずモヤモヤとしていた。理解を深めるために読んで見た一冊。あくまでも側近が中心のため、彼らがヒトラーのどこに惹きつけられたのかは不明なままになってしまったが、ナチの台頭から終焉まで、流れを追って理解することが出来た。怪物は一人勝手に大きくなったのではなく、養い、育て、崇め、讃え、追随し、盲信する者たちがいて、より強大に、恐ろしいまでの力を持ったのだと分かる。側近と言えども最期まで追い従った者は少なく、人間というものの浅ましさを感じる皮肉な結末だと思った。2015/04/09
巨峰
22
ヨーロッパの近現代史は詳しくないので興味深く読んだ。沢山の側近がとりあげられていて、網羅的である反面、やや掘り下げが足りない感じ。しかし、この本で読むかぎりは私たちと大差のない人間たちなのになあ2011/11/27
Book Lover Mr.Garakuta
19
図書館本:歴史を探訪するにあたり、知らなかったこと。知らない人物や出来事も多く説明されておりそうなのかと思った。また新しい知識を得られたのが嬉しかった。2021/08/23