岩波科学ライブラリー<br> 量子力学の反常識と素粒子の自由意志

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岩波科学ライブラリー
量子力学の反常識と素粒子の自由意志

  • 著者名:筒井泉
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2015/01発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000295796

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内容説明

実在という物理の基礎概念に根本的な転換を迫った量子力学.その大成功の陰で過去の遺物と思われていた物理論文がよみがえった.いまやどんな論文をも凌駕するほどの勢いだ.それがアインシュタインのEPR論文だ.「量子もつれ」という考えの重要性と有用性が最近認識されて時代の寵児である.実在性と因果律の意味を読み解く.

目次

目  次

 まえがき

 1 量子力学とは──スピンの世界

 2 EPRパラドックス──量子力学は完全か?

 3 ベルの定理──局所性・実在性との矛盾

 4 コッヘン‐スペッカーの定理──状況に依存する実在

 5 自由意志定理──素粒子は自由意志を持つか?

 あとがき

 キーワード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

calaf

8
観測者の自由意志か、局所性か、決定論か。この3つのうち、少なくとも一つは間違っている...というのが、現在物理学(?)の結論。どれも常識的には正しいはず(ように思える)の事だけど、三者が揃って正しいという可能性はないらしい...これが自由意志定理。どれが間違っているのか、、、現在はまだ明らかではない。それだけではなく、将来明らかになるかどうかも不明???2011/12/15

T.Y.

7
量子力学が明らかにする素粒子の常識に反した振る舞いについて、スピンの基本的性格、EPR論文の唱えたパラドックス、ベルの定理(局所性もしくは実在性への問い質し)、コッヘン-スペンカーの定理(状況依存性)、自由意志定理(非決定論)を順次解説。あまり数式を使わず、場合によっては科学部記者あかりとヒロシの架空の対話を使っての説明の分かりやすさもさることながら、「自由意志定理」という近年の研究の紹介というだけでも価値あり。コンパクトで手頃な入門書。2016/12/24

Yoshi

3
量子もつれに関する解説本。 量子もつれは、アインシュタインも信じることができなかった、奇妙な現象である。 量子もつれは、最近では、量子テレポーテーションなど実応用へ向けた開発が行われているホットトピック。 しかし、非決定論を自由意志というのはかなり乱暴な議論。 哲学分野で自由意志論といえば、普通は、非決定論と自由意志は区別するもの。確率的であることは自由意志を擁護しないとカントが論じたことによるのだが。2023/09/05

かしゃるふぁ

3
タイトルはなんかすごいアレだけど、中身は真面目な量子基礎論の一般向けの解説です。薄い本でありながら、自由意思定理という先端の話題にも触れているところがすごいです。自由意思定理がなんとなく分かったような気には少しはなれましたが、もっと(数式もある)詳しい本・論文を読まないといけないなと思いました。やはり、量子力学の解釈みたいな話は難しいです。EPRパラドックスの話なんかもコンパクトにまとまっているので量子力学の勉強の副読本としてよいかもしれません。2013/11/22

void

3
【★★★☆☆】スピンの系から、①量子力学のエッセンス、②量子のもつれによる確率的不確定的な量子力学批判(全体の確定と部分の未確定)、③局所性(近くにないと影響を与えられないはず)と実在性(測定から独立)を前提にすると量子力学に抵触するというベルの定理、④こっちを測定すればあっちが確定するという「実在の状況依存性」・完全相関から、⑤その測定を行う者の自由意思があるとすると(+局所性)④と矛盾する、ひいては因果的決定論を排すには素粒子の自由意思を認めることになるという自由意思定理。門外漢でもいけるが、(つづく2013/06/07

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