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内容説明
「一億総クリエイター時代」「コンテンツは無料」「もう紙の本は要らない」「世界中の人と繋がれる」「ネット革命が起きた」―そう叫ばれる社会は、本当にバラ色だろうか?本書では、昨年から本格的にブームとなった電子書籍をはじめ、インターネット隆盛の影で蝕まれるジャーナリズムや文化、ユーザーによる“情報の過剰な共有”から生じる問題にスポットライトをあてる。
日本はいかに米国ネット企業の搾取にストップをかけ、ネット帝国主義に対応すべきか。
目次
第1章 電子書籍バブルとネットの隆盛
第2章 ネット上のビジネスの実態
第3章 日米の出版文化の大きな違い
第4章 日本が目指すべき電子書籍
第5章 ネット帝国主義の新たな進化
第6章 独自の道を歩むための視点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
55
攻撃的な題名ではあるけれど、中身はアメリカのプラットフォームに依存するばかりではなく、日本独自のネット文化を成長促進させるべき、という提言によるもの。もう五年も前の本だが、TPPとネットの「黒船」の共通点は確かに多く、心配している。2015/12/29
シュラフ
16
著者の主張は、「ネットにおけるプラットフォーム事業者はコンテンツ事業者を支配する。米系プラットフォーム事業者が大きなシェアを占める日本の現状は問題がある。プラットフォーム事業者に支配されることでコンテンツ事業者がつくりあげてきたローカル文化が破壊されていく危険性がある」ということか。昨年10月に統合設立されたKADOKAWA・DWANGOはプラットフォーム事業とコンテンツ事業の統合を目指す試みということで話題になったが、日の丸プラットフォームをつくりあげる可能性がある画期的な意味があることが分かる。2015/01/14
ダンボー1号
10
4年前2011年の発行だから特に新しい情報も着眼点もなかった。もちろん発行すぐ読めば印象も変わったでしょう。電子書籍について多くページ割かれていたが自分が知りたかったのはマゾンジャパンの売り上げとアップルituneの日本市場の売り上げ推移および法人税払っているのか?1曲売れていくらレコード会社に入る?でした。法人税払っていない気もするが著者は気にならないのか?そんなもんか。逆に日本の商品がアマゾン通じて海外でどれだけ売れている?アマゾン内の日本のプラスマイナス知りたかったけど・・・残念でした。 2015/11/06
スリーピージーン
5
決してアメリカ企業排斥の趣旨はありません。既に浸透しているネット流通の長所・悪所を考えさせてくれました。便利、安価、楽しい、でも実は搾取されていた。このフレーズにひきつけられて読みました。電子書籍の行く末やビジネスモデルを論じているけど、それは日本のネット流通全体の問題として見ることができる。なんでも安ければいい便利ならいいという趨勢には疑問をもたなくては。米はともかく、日本の文化レベルの衰退は悲しい。それにしてもアメリカ人の読書の概念って我々とはずいぶん違うんだなぁとちょっとショックでした。2013/03/17
おらひらお
4
2011年初版。日米の出版業界の差がよくわかりました。アメリカのネット帝国主義に抵抗する中国にも一理あることが指摘されています。ただ、タイトルが悪いかな。副題を主題にしたほうが、本書を手に取る人が多かったような気がします。あと、ネットの中でクラウドの一部にならないようにしたいものですね。2012/11/05