粘菌 その驚くべき知性

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粘菌 その驚くべき知性

  • 著者名:中垣俊之
  • 価格 ¥750(本体¥682)
  • PHP研究所(2012/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569777863
  • NDC分類:473.3

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内容説明

「知の巨人」、南方熊楠もビックリ! 粘菌のすごさ。「知性とは、発達した大脳皮質をもつ生きものだけが持てるものである」。この一般常識に、日本人研究者が「待った!」をかけた。脳はおろか、細胞同士をつなぐ神経系もない、単細胞でアメーバ状生物の粘菌が迷路で最短ルートを示し、時間の記憶を持ち、ハムレット的逡巡を見せた後、ある判断までする。もう立派に知性を持つといえるのではないか!この驚きの結果は、いま世界中で注目の的。粘菌の持つ「知性」の正体とはなんなのか。粘菌はいかにして「知性」をつくれるのか。知性とはなにか、意識とはなにか、身体とはなんなのか、大きな波紋を投げかけている。著者らは、2008年イグ・ノーベル賞の認知科学賞を受賞。さらにタバコの煙やお酒の匂いを嫌う粘菌の五感をめぐる話題から、関東圏の鉄道網を粘菌に設計させたユニークな実験まで、粘菌の驚異の能力に迫っていく。

目次

第1章 単細胞の情報処理
第2章 粘菌とはどんな生きもの?
第3章 粘菌が迷路を解く
第4章 危険度最小化経路探索とカーナビへの応用
第5章 餌場所ネットワークの多目的最適化とインフラ設計
第6章 周期変動の予測と想起
第7章 迷い、選択、個性
第8章 intelligenceと知性

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

28
粘菌の存在を知ったのは、南方熊楠の本を読んでいたときに彼が研究の対象にしていた。複雑なものを研究するよりも面白いものがあるのだろうなと思った記憶が。その面白さが結実している。イグ・ノーベル賞にふさわしい?数億年の生命としての歴史を持つ単細胞生物は、その生存能力に於いて卓越した能力を持っている。それは、全ての細胞にその能力を持ちうるということ。私達一つひとつの細胞も独自に生き抜く力を持つ。それを信じ、その細胞が最も活性化される状況を作ることが、生きる力を最大に発揮する。意識だけに頼らなず、無意識をも活用する2012/10/02

にしがき

16
👍👍👍👍 粘菌といえば、風の谷のナウシカくらいしか知らなかったが、気になる存在ではあった。でもまさか、単細胞生物なのに迷路を解いたり、周期的な刺激を予想したり、嫌いなものに対して接近を迷うような行動をするとは驚きだった。しかも、本書では、その行動がどう引き起こされるのか、(推定のものもあるが)物理的-化学的に説明しているところが良い。「知性」についても著者の考える定義が示されているのも良い。/生物は小さのも大きいのも、物理現象の固まりなのか。2021/10/02

土瀝青

16
図書館本。粘菌をキノコの親戚みたいなものなのかなどと、適当に考えていた。まったく違っていた。単細胞生物とバカにできない。自分、なんか負けてる気がする(笑)2016/10/23

paluko

5
読み友さん推薦本。複数の点を結ぶルートの「粘菌解法」は経済性と正確性を適度にミックスしたごくごく妥当な結果を出力、JRの路線ネットワークと同程度の総合点を叩き出す! また粘菌に周期的な刺激を数回にわたって与えてやると、「次の刺激」がくると思われるタイミングで予期行動(立ち止まる)を起こすとか……。粘菌スゴイ、なのか、人類それほどスゴくない、なのか。実際この目で粘菌の振る舞いを目撃したら、知性とはいったい何なのか考え込んでしまうだろうなあ。2020/08/04

K K

5
なかなか難解。 アメーバは原始的に知性をもつというのは驚き。 Psychic life of micro organism、微生物の精神生活は読んで見たい。 昔は神経なしに情報処理をしてきたというのは知らなかった。 粘菌が一番好きなのは有機栽培で、麦粒そのままを昔ながらの素朴な工程で作ったものというのは物事の本質を表している。人間はつくづく本質から外れてますね。 危険度最小化問題というのは興味深いが、方程式が非常に難しかった。2017/06/21

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