内容説明
時は天正16年(1588)、舞台は豊臣秀吉の人誑(たら)しの凄さと、絢爛たる桃山文化が開花し、秀吉の手により改造された京都。西国の雄・毛利輝元は秀吉に初めて対面するため、緊張と不安が入り混じる上洛の旅に出る。そこに待ち受ける秀吉の接待とは?
目次
第1章 上洛への旅(重苦しい旅立ち;厳島に祈る ほか)
第2章 初めての京都(妙顕寺の宿所に入る;聚楽第で関白に謁見 ほか)
第3章 楽しき京都(八朔節供;参議豊臣輝元と羽柴安芸宰相の肩書 ほか)
第4章 大阪城の関白秀吉(さらば京都;秀長の大和郡山城を訪問 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maito/まいと
18
まもなく終わろうとしている戦乱の世、それは大名の役割が変わることを意味していた。統一の権力者が現れたとき、その権力者との関係を作る必要が生じたとき、彼らは具体的に何をしていたのか。ドラマティックではないその日々が記録に残っていた、ということで、毛利輝元の京都・大坂外交旅行(?)を史料を基に再現した1冊。まあよくもまあ、連日接待を受けたり接待したり、訪問したり応答したり・・・これだけお金や物が動いていれば、そりゃ大坂が潤うはずだ(苦笑)意外に知られていない輝元のパーソナルなところも垣間見える貴重な1冊。2019/03/21
hiyu
6
目次に著者の思いが見え隠れする。毛利氏を題材にして初上洛から帰国までを非常に丁寧にかつ平易な文章で描かれている。こうして権力が示されたのかと感慨深いものではあった。2019/01/16
えびえび
2
毛利輝元が上洛した際に家臣が記録した日記を元に当時の人々の様子を解説する内容です。記述を追いながら丁寧に説明されています。謁見の様子や京都の町並み、輝元に関わった人物など細かく解説が入るので、歴史小説をよく読む人には良い資料になるのではないでしょうか。2013/02/27
Kanbukyoukou
1
「毛利輝元が京都の秀吉の元に初めて参内した際の記録」ストーリーとしてはそれだけ。でも読んでて抜群に面白かった。当時の風俗・時代背景を読みやすい文体で紹介してくれる良書。2016/11/27
田中AD
1
大名の政治家としての姿、儀式で数ヶ月が過ぎる、ついでに観光。現代の政治家が夏でもスーツって暑そうと思ったが、昔も正装で真夏の行事をしてたのか。2016/08/24