中公新書<br> 「国語」の近代史 帝国日本と国語学者たち

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中公新書
「国語」の近代史 帝国日本と国語学者たち

  • 著者名:安田敏朗【著】
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  • 中央公論新社(2014/01発売)
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  • ISBN:9784121018755

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内容説明

明治維新後、日本は近代的な統一国家を目指し、ことばの地域差・階層差を解消するため「国語」を創始する。「国語」は国民統合の名の下に方言を抑圧し、帝国日本の膨張とともに植民地・占領地にも普及が図られていく。この「国語」を創り、国家の国語政策に深く関与したのが、国語学者であった。仮名文字化、ローマ字化、伝統重視派、普及促進派などの論争を通し、国家とともに歩んだ「国語」と国語学者たちの戦前・戦後を追う。

目次

序章 「国語」を話すということ
第1章 国民国家日本と「国語」・国語学
第2章 植民地と「国語」・国語学
第3章 帝国日本と「日本語」・日本語学
第4章 帝国崩壊と「国語」・「日本語」
第5章 「国語」の傷跡―大韓民国の場合
終章 回帰する「国語」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

339
日本語という国語も明治維新以降統一化に当時の人が苦戦していたのが分かった。江戸時代はみんなバラバラの言語空間に生きていたんだなとよく分かった。2016/10/21

樋口佳之

27
「声に出して読む」のは書きことばである点である。近代の「国語」が埋めようとしてきた書きことばと話しことばのあいだにある溝を、音読の強調は広げることになるのではないか。もう少しいえば、かつての書きことばがもっていた特権性への回帰がそこでは目指されているのではないだろうか。/話し言葉と書き言葉の乖離って日本以外では現在どうなっているのかな。2018/07/10

gorgeanalogue

16
電子。「国語」批判。中盤、国語学者らの主張が羅列的に言及されてやや退屈する。面白いのはナショナリズムの「配電システム」としての「国語」が日本から朝鮮に解放後にも「継承」されていくくだり。2000年代の音読ブームもそれまでの「国語」観の繰り返しと批判される。ここまではそれなりに納得できる。ただ終章で民族や国家に回収されないことばのあり方として「ことばとは、そもそも「わたし」のものではないのか」と結論されるのだが、これも結局「アイデンティティー」を軸にした同型の議論が繰り返されることになるんじゃないかな~。2022/03/18

NICK

7
日本人が普段使っている言葉がいかに「日本語」「国語」と呼ばれるようになったか、使われていたかを明治から戦後まで、また旧日本の植民地をも例に出しその歴史を論じている。「国語」は時代を問わず国家や民族と結びつけられてきた。旧日本にあっては国家統一のために、戦後でも「民主化」のために云々。現代においても国語の教科書に「愛国心を養う」ことが記されてあるそうだ。我々が何気なく使っている言葉がそれだけで政治性を帯びているということか。この言語の政治性というのはドゥルーズのいうマイナー文学と関連があったりするんだろうか2012/04/01

勉誠出版営業部

5
安田敏朗さんの『「国語」の近代史』を読了。明治期以降の、いわゆる近代において、国語(=日本語)が支配・統制のために用いられていたという側面を浮き彫りにしたもの。2014/04/04

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