内容説明
格差と少子化。共働き家庭の増加。「家庭と仕事の両立支援」の掛け声とは裏腹に、仕事と子育ての狭間で苦悩する30~40代の女性たち。「両立支援」とは、誰のための、何のためのものなのか。日本とアメリカの職場の実態、制度のありようを描きだす。
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目次
1 彼女たちのいるところ(育児休業、その後―退職へと誘われる母親 夫と妻と子育てと―ジレンマの在りか 働く親は「市民」になれるか―親のニーズと保育所再編)
2 アメリカの模索(「両立支援」とはなにか―経営戦略、多様な家族観、性差別禁止 ワーク・ライフ・バランス―アメリカの光と影)
3 両立のゆくえ(すれちがう両立支援―少子化と男女共同参画と 子どもをもち、働くということ―沈黙と格差を超えて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルーベリー
3
2年前に #WLB_cafe で話題になった本。丁寧な取材と詳細なデータで綴られていて読み応えのある貴重な1冊。いつの時代もはたらく母は悩んだ来たことも、あとがきにあたる「結びにかえて」からかいま見ることができる。出版から6年が経過した今も、現状が大きく変わったとは思えないかもしれない。しかし、水面下にムーブメントが来ていると信じたい、祈りたい気持ちになる。母が「はたらく」こと。それは50年前のように特別なことではないのだから。2013/01/23
azuazu1011
3
目次を読むだけで疲れる、厳しい現実を突きつけられる本。復職前にこの本を読んでおいてよかった。育児休業あけに待ち受ける事柄に、ある程度、心の準備ができた気がする。しかも長期的な視点を持つことの大切さも実感。ほんとに長い長い戦いがあって、ここまで多くの人達が両立で悩み、それでもまたまだという事実。ツライ。でもきっと、答えはなくても、続けていくことに意味があるんだろうと思う。まずは目の前のことからかなぁ。みんながもがきながら歩んできた、それが道となって、今につながっているわけだから。2012/01/31
Lucie1104
3
読んでて辛くなるという前評判通りw私自身子供を持つ会社員として、色んな面でしんどさを感じていて、この本に登場する女性達に多いに共感した。一見理想的に見えるアメリカの状況も、優秀でない、成果の出せない人材は、恩恵が受けられず、このまま日本が目指すべきとも思えず、読んでいると先の見えなさにがっくりする。でも今は過渡期であって、娘が大人になる頃には両立が普通な社会になって欲しいと切に願う。というか、微力でもそのために私も動かなければならないのではないか、というようなことも感じた。個人的には、物事悪い面ばかり見な2012/01/07
ジュリアンヌ
2
暗くなる。男性は仕事時間が短くても家事育児に参加しないというデータがある。女性に限らず、そもそもの雇用条件や労働条件を見直す必要性を感じる。2017/02/01
なーり
2
この閉塞感はたぶん50代より上の人には伝わりづらい。「子どもが小さいうちは無理して働かなくてもいいじゃない」「旦那さんがいるのに働かなくても」そう言われて口をつぐむしかない悔しさを、どうしたら伝わるのか考え続けていきたい。2013/04/14