内容説明
全ての地下鉄通勤者に捧ぐ。愛と死、そして魂の再生へ-戦後の地下鉄を舞台に感動の冒険ファンタジー。地下鉄が誘う哀愁の世界へ男は旅だった。それは父との和解への道のりだった。-これ程まで人生の過酷な選択を迫るファンタジーはあっただろうか-特別エッセイを収録した愛蔵版。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
70
ミサさんのおすすめ本。地下鉄をキーワードにタイムスリップと人情ものとを合体させた物語。2021/01/01
りーぶる
54
オフ会課題本。特別版も読了。エッセイを読むとこの作品に込めた浅田さんの思いがより伝わってきますね。ただし、オフ会では最後のエッセイは討論の範囲に含めません☆詳細はオフ会終了後に。2015/01/15
たんちゃん✡。:*☪·̩͙
38
オフ会課題本。浅田さん初読みでした。感想はオフ会終了後UPします。2015/01/10
maxa
35
ただ今しみじみ余韻浸り中…。芯からの力強さと、切ない空虚さの両方が感じられる話だった。良い〜。長年人々を運び続けてきた地下鉄の哀愁のようなものが感じられるタイムスリップもの。兄が自殺した30年前のちょうどその日に、地下鉄を媒介してタイムスリップした真次。兄の自殺を回避しようと動くのであるが、あちらとこちらの時間を時を少しずつ遡りながら幾度か行き来するうちに見えてくるのは、過酷な時代を生き残ってきた一人の男の姿だった。書き下し箇所により、浅田さんのお父さんへの想いが込められた作品だとわかって益々胸いっぱい。2022/05/28
きむこ
35
再読。読メにハマる前に何度も再読していた作品。浅田作品はDVが多いので、嫌悪する人も多いが、それは浅田さん自身が自分を良い人に見せたくない天邪鬼な性格の表れと思っている。主人公は不倫をしているし、親はDVだし、色々とイラつく事が多いのに何故か1番印象深く、決して嫌いになれない作品。今の生活で明るい地下鉄ではなく、昭和の地下鉄。少し薄暗い不思議な空間がつなぐ過去と現在。悲しい結末に何度読んでも号泣する。私はまたふと読みたくなって再読するだろうな。★52015/02/04