内容説明
巷には語学の教材や学習法の情報があふれているが,本当に有効な外国語学習法とはどんなものだろうか.「外国語が身につく」とき,学習者にはどんな変化がおきているのだろう.言語学や心理学からの知見を基盤としながらも独自の研究分野として発展してきた「第二言語習得研究」の最前線を紹介する.
目次
目 次
プロローグ
1 日本人はなぜ英語が下手なのか――その1 動機づけ
2 日本人はなぜ英語が下手なのか――その2 母語の影響
3 外国語学習に成功する人、しない人
4 外国語が身につくとはどういうことか
5 どんな学習法なら効果があがるのか
付録 知っておきたい外国語学習のコツ
おわりに
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Riopapa
10
インプットの大切さを改めて感じた。どうも今の世の中,アウトプット重視になっているような。2017/03/16
calaf
10
外国語の学習の得意な人、苦手な人がいるのは事実。では、それはどうしてなのか?そういった事を研究するのが第二言語習得という研究分野らしい...そんなのがあるんだ...で、実際に役立つのだろうか...読後の印象としては、役立つような、役立たないような... (大汗)2013/05/16
Nobu A
8
白井恭弘先生著書3冊目。2004年初版。3冊全て逆時系列に読んでしまった。前著と被る箇所も結構あり、命題が大きく変わらない限りもう良いかな。お腹一杯。全著に言えることだが、一般向けに平易な文章で読み易く、本著の最大の良さは第二言語習得論までの変遷を簡潔明瞭に叙述している点。他方、「予測文法」はコロケーションを含んだ説明が必要。インプットとアウトプットの関係性の鍵となり得る白井先生提唱のリハーサル理論と呼んでも差し支えないかと。私自身も米国留学中に全く同じことをやっていた。ただ、効果検証は恐らく不可能。2021/04/03
sonomi
6
卒論のテーマに関係がありそうなので読んでみた。「第2言語習得研究」という分野が比較的新しい分野で、まだ明確に言えることは少ないながらも、初めてこの分野に触れる読者にもわかやすく説明されていて読みやすかった。自分を含めた日本人が、中学、高校と6年間も英語を学ぶのに全く英語が話せない理由がこの本を読むとわかる。あれだけ一生懸命勉強させられた「文法」は基本的なものさえ知っていればいい、それよりも、メッセージの意味を理解するような学習方法を取り入れるべき、とのこと。2009/05/13
satochan
5
今、日本語教師をしているが、自分の教え方がどういう学生にどのような助けになっているか、どうすれば学生を伸ばせるか考えられて良かった。一人一人の発達段階や特徴を踏まえ、どうすれば活かせるかと考えながら読めば、本書は役に立つのではないだろうか。本書には聞く時間が70%でも、伸びる話があった。それは正しいと思う。もちろん、先生は何を聞かせるかによると思うが。もしできることなら、そういう研究をしてみたいと思う。また、文化の影響や人種の影響、外国語で話すとき思考回路が少し馬鹿になるなども、興味があるので調べたい。2019/02/12