内容説明
ある日突然、男が女に、女が男に変わったら……? 神出鬼没の摩訶不思議なインスタント・ラーメンが巻き起こすミステリアスな5つの物語。生まれてからずっと男でいつづけるのも、女で一生終わるのも、人間ってけっこう楽じゃない。性に悩めるあなたも、悩んだことなんて全然ないあなたも、さあ、そんな綱渡りのような固定観念を捨てて、性差の呪縛ものりこえて、新しい自由な世界へようこそ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
110
正直なんだかよく解らないと云うのが率直な感想だ。連作短編集のような短編集だが、共通しているのは食べると性別が入れ替わるという不思議な効用のあるインスタントラーメンというアイテムだけだ。だからといって男女のジェンダーの在り様とかそもそも男とは?女とは?といった大上段に構えたような性差論が繰り広げられるわけではなく、全て当事者の一人称叙述で森氏独特のくだらない独り言のような話し方で物語の顛末が語られる。タイトル同様、墜ちきるところまで墜ちたという意味なのか。ここまで墜ちれば、後は浮上するのみである。2017/05/27
チアモン
55
S&MシリーズやVシリーズとはまた一味違うテイストの森氏の作品。インスタントラーメンを食べると男女が入れ替わる!?発想は面白いと思ったけれどちょっと私には合わなかったかなぁ。四季シリーズをまだ読んでいないので読まなくちゃ。2020/08/07
akira
33
久しぶりのシリーズ外小説。 はじめは、小粋な遊びの多い喜劇小説かと思いきや。不思議な雰囲気は流石。 なんとなく受ける印象で、「トーマの心臓」や「神様が殺してくれる」を連想して想像する。森博嗣の書くそれは、どことなく綺麗だが妖しさはない。堕ちるというのは、平衡状態をつくろうとするためだろうか。人もまた、自然と同じく安定を求めるのか。 こういう言葉遣いって、儀同世津子調?それとも、エッセイにおけるスバル氏調?人の言葉遣いは、けっこう印象に残る。 「そうそう簡単に横になっちゃったりしたら駄目なんだぞう」2014/08/10
吉野ヶ里
31
時々、異性になってみたいなって思うんです。でも、生まれ持った性別も楽しんではいるんです。どっちも利点があって、面白くって、どーしようもなく辛いんだろうなって。男と女の話。女性は男性に比べて完成している。どうなんだろう? 男の方が良いのか、女の方がいいのかってことを雑に考えてましたけど、結局、生まれ持った性別で頑張るのがいいんでしょうね。はい。最終章で落ちまでついて、ふむ、となりました。面白かったですけど、まあ、もう読まないでしょうね。 2015/03/21
らび
30
これは・・なかなか難しい。ストーリーがではなく、正直、なんじゃこりゃ?です。(笑)正体不明の袋麺(ラーメン)を食すと性転換する・・。で、良い方には転ばない。命を落としても、なんせ性別が変わっているのだから顔と名前と性別が一致しない。短編の中身はちょっとずつかすってるんですが面白いかといえば、そうでもない。2017/02/02