小説 日本婦道記

個数:1
紙書籍版価格
¥605
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

小説 日本婦道記

  • 著者名:山本周五郎【著】
  • 価格 ¥528(本体¥480)
  • 新潮社(2013/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101134086

ファイル: /

"Reader"および"Reader"ロゴは、ソニー株式会社の商標です。

内容説明

千石どりの武家としての体面を保つために自分は極端につましい生活を送っていたやす女。彼女の死によって初めて明らかになるその生活を描いた『松の花』をはじめ『梅咲きぬ』『尾花川』など11編を収める連作短編集。厳しい武家の定めの中で、夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母の、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさ、哀しさがあふれる感動的な作品である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

430
タイトルの「婦道」という言葉にはいささかの抵抗を感じる。封建道徳下で「女が生きるべき道」ということであろうから。本書では武家社会に生きた女性たちを主人公として、まさにそうした「女性があるべき理想」を描いたものである。ある意味では美しいとは言える。立派だとも言える。しかし、ほんとうにそれでいいのかという疑問もまたぬぐうことはできない。しかも、本書が発表されたのは1943年。体制翼賛の時代である。もっとも、見方によってはこれが山本周五郎の精一杯の抵抗の姿であったと見ることもできる。「真」は時代にも、まして⇒2021/07/19

遥かなる想い

234
第17回(1943年)直木賞。 厳しい武家の定めの中で、生きた妻や母を 描いた連作短編集である。 山本周五郎が描く 日本女性の美しさが 懐かしさとともに 蘇る。つつましく 健気に生きた日本の母・妻たちへの讃歌でも ある…ぶれない女性たちの勁さが清冽に 心に残る、そんな短編集だった。2018/07/24

よむよし

110
『桃の井戸』が印象に残りました。「創作とすればこんなに大きな意義のある創作はほかにはないと思う」と家庭を築く意義を主人公は独白する。武家の後妻という一見従属的な立場でも家庭の創作は誰をあてにするのでもない自分が担っているという自立した生き方を貫けるということ。こうした女性がさらに社会に関わっていけば生活感溢れた社会になると思う。いくつかの縁談を断るうちにいつしか縁遠い娘となっていた主人公は結婚よりも和歌を詠んで一生を送ろうと考えていた。しかしある老婦人から“独身で通そうと力んで肩肘を張るようでは人の心を⇒2024/02/17

じいじ

105
「直木賞」受賞が、作家人生を一日にして一変させるのはよく知るところだ。本作は、その直木賞の幻の受賞作なのだ。山本周五郎は直木賞を辞退した、たった一人の作家である。本作のテーマは、男の「武士道」に対する女の「婦道」。「自分らしく生きる」―自分以外の人々を幸せにすることを実践した11人の女性たちを描いた感動作。妻の死をもって妻の偉大さを知る夫。夫への忠誠心を貫き、女手一つで息子を武士に育て上げる。夫の小言に苦しむ妻…感動の結末は涙が…。周五郎小説は清々しさの中に予測を覆す筋展開だ。奥深い読み応えがたまらない。2016/09/16

優希

72
女性の生き方を描いた11編の連作短編です。夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母のぶれないところが清々しかったです。凛としていながらも哀しさがあふれていて心に染み入りました。女性の美しさは連れ添っている夫の気づかないところにあらわれているのが清々しいところです。女性の強さと美しさがどこまでも描かれていました。2015/01/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/574067
  • ご注意事項