ちくま学芸文庫<br> 恋の中国文明史

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ちくま学芸文庫
恋の中国文明史

  • 著者名:張競【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 筑摩書房(2016/01発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480083326

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内容説明

もともと儒学では夫婦の和合は賛美されるが、未婚の男女の交際は認められない。結婚も親の取決めによる。この風習は中原の漢民族文芸に影を落とし、長い間、中国に純粋な恋愛小説はなかった。が、度重なる異民族の支配により〈恋〉を知った漢民族は、他民族の血と文化を自らに取入れ、変容させ、新たな活力にしてきた。やがて清代には恋愛小説の大作『紅楼夢』が登場、人々を魅了する……。中国史を漢民族の文化の変容の歴史として捉え〈恋〉という側面からそれを浮彫りにした意欲作。

目次

序章 文化を解く鍵―恋
第1章 閨房内の恋―中原文明の象徴
第2章 人神の恋―南方の歌垣から
第3章 人怪の恋―北方民族の文化から
第4章 美貌の胡姫たち―長安の宴
第5章 略奪婚の衝撃―漢族文化への回帰
第6章 モンゴル文化の陰影―男女共演の舞台
第7章 明代の淫らな性―『金瓶梅』の秘密
第8章 新しい恋―『紅楼夢』の謎
終章 恋愛の発見―中国文化の近代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

1
漢族の文化に対する北方系民族の刺激によって中国の恋愛感が発展していったという観点でまとめる。特に『紅楼夢』が恋愛小説としてどう画期的だったのかという点が読みどころかなと。終章で触れる、清末の中国が西洋の思想や文学・芸術を下位文化と見なしたことの後果は、今の日本にとって教訓となるかもしれない。2015/02/06

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