内容説明
日本人の心の原像とは何か? われわれの祖先たちはいかなる意識をもってこの火山列島に生き、またそれはどのようにわれわれの心に刻みこまれているのだろうか? 原始の日本人の呪術的想像力、そして古代的社会機構によるその変容のプロセスに、徹底した実証、渾身の学問的想像力で迫る、日本古代文学研究史上の記念碑的作品。
目次
黎明―原始的想像力の日本的構造
幻視―原始的想像力のゆくえ
火山列島の思想―日本的固有神の性格
廃王伝説―日本的権力の一源流
王と子―古代専制の重み
鄙に放たれた貴族
心の極北―尋ねびと皇子・童子のこと
日知りの裔の物語―『源氏物語』の発端の構造
フダラク渡りの人々
偽悪の伝統
飢えたる戦士―現実と文学的把握
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
8
日本列島の人びとの遺した物語世界に、日本が火山列島であることに由来する固有神の存在とその性格を読み解く「火山列島の思想」など、11編からなる。中山みきの『泥海古記』に原始的な想像力のエネルギーを見(「幻視」)、出雲のコトシロヌシの神の正体を論じ(「廃王伝説」)、人間の欲望の発露を仏教説話に読み解く(「偽悪の伝統」)。↓2022/02/20
Hiroki Nishizumi
3
必ずしも全て理解出来たとは思えないが、参考になった。「異変が起きるのは、いつもその夜と朝のはざま、夜明けの頃」「山は神であった。山が清浄であるからではなく、山が神秘不可測な憤怒そのものであったからである。」といったあたりは特に興味を惹かれた。2018/06/26
自堕落
0
この著者の本はいつか読破したい。ハレとケについても書いてあるよ
俺のタン塩
0
メモ・必要ならば購入を迷うな2014/07/01
うえ
0
ツクヨミ=オオナムチ説2013/09/06