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内容説明
人類誕生以来、人間は食物や薬を求める中で、数限りない毒と付き合ってきた。そして今日も、食性の変化、社会の変貌につれて、未知の新たな毒との出合いを続けている。本書は、暗殺教団の谷の大麻、ゾロアスター教の覚醒剤エフェドリン、ナポレオンを殺した砒素、ナゾの中毒事件を生んだタリウム、そして毒を消す毒テリアカなど、恐怖と忌避と悪の魅惑に彩られた一五の毒をエピソードとともに紹介し、その実態を科学的に解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
47
☆5。面白く読めた。もちろん1985年発行の古い本なので、これを話のネタにするとつっこまれる所が随時出てくる(「ナポレオンが砒素によって毒殺されたことは、もはや疑う余地がない」p112なんて断言しちゃってる。ナポレオンの死因についてはいまだ論争中)。が、文章が楽しませてくれるのでそんな瑕疵は気にならない(気にしない?)。ちなみに毒と言えないジャガイモがイントロです。大昔は「悪魔の食物」と思われていたので。あと煙草も出てきます。(ただし間接喫煙の表記はなし)この頃は今ほど煙草の害は言われていなかった・・・。2019/12/06
とんこ
28
15種の毒にまつわるエピソード集。薬学博士の著者なので化学式や専門的な解説もありますが、メインは古今東西豊富な文献からのエピソード。暗殺教団の谷の大麻、幻覚をみせる毒キノコテオナナカトル、ラスプーチンや帝銀事件の青酸カリ、毒を消す毒テリアカ、目次だけでわくわくしますが、ゾロアスター教の覚醒剤ハオマ酒の段が特に興味深かった。昭和60年初版で、それぞれの毒について今はもっと研究が進んでいるようなので、その点をあとがきに足した新版とか出たらいいなあ。2024/11/23
読書実践家
10
歴史の話がよく出てくる。暗殺によく用いられた。怪僧ラスプーチンの話も出てくる。単なる科学の話ではなく、人間の歴史を織り交ぜて展開されるので、面白い。2015/10/29
syuu0822
8
著者もあとがきで述べていますが、この本だけで毒のことを学ぶことはできないと思います。文系でも読めるような毒にまつわる雑学集と思って読むのがよいです。書いてある内容自体はとても面白かったです。2021/12/03
♪mi★ki♪
7
読んだのは大学時代。毒物学は浪漫だ。




