内容説明
妄想といっては哀しく、純粋というには怪しすぎる初恋をした高校時代。一年浪人の末、九つの学部を受験して、めでたく早稲田大学露文科ダケに合格。さあ女のコにモテるぞ、と張切るが現実はきびしい。青春と恋とはギョーザとニンニクの如くセットのはずなのに、実にグヤジイ。園山俊二、福地泡介などとの愉快な漫研生活、白昼堂々、両親に見送られての“家出”をしたころや、プロを目指した辛い売込み時代などを回想する漫画チックな放浪記。ショージ君の原点がここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
59
恋愛も、もれなく青春の1ページ。図書館、バス、ダンス教室、キャンプ、そして学部?!モテるための”試行錯誤”は、程度の差こそあれ、誰もが通る道・・・、ですよね?転機は漫研も、(本人の葛藤にも関わらず)不変の”2の線”。憎めないなぁ、笑う。敢えて一言いうのであれば、福地氏の作家デビューと血管が転機なのは理解も、自身に起きた心底の変化をもう少し語って欲しかったなぁ。そこに学びが多々ある気がする。まぁでも、照れもあるのかと推察。素直なお人柄が滲みます。2018/06/12
12月だよ・寺
43
かねてから読みたいと思っていた東海林さだおの青春記。先日古本屋で百円で見つけて飛び付いた。今でも雑文は面白いが、漫画もまだ面白かった頃の文章なので、一番油が乗っていた頃ではなかろうか?。自分を美少年と勘違いしていた高校生時代からスタート。内田樹の本にもあったが、男は意外と自分をいい男だと勘違いしているものである(笑)。これは本当に面白く良い青春記。トキワ荘だけが漫画の青春ではないのだ。随所でギャグやユーモアが光り、今なお笑える。文春文庫の目録には今もあるが、書店では全く見かけないのが惜しい名著。2015/04/29
アズル
24
とても面白かったです! 東海林さんは生まれてからずっと、「ショージ君」なんだ! 初恋のくだりから大学、中退、マンガ持ち込みまで、まさに青春記です。もっと早く読んでおきたかったです。2014/07/06
ムフィー
13
これはなんと熱い一冊であろうか。東海林さだおの自伝的エッセイ。いつでもスーパーミラクルポジティブ妄想の果てに、ホロ苦い惨劇が待っている。思わず吹き出してしまったり、妙に胸が締めつけられたり、そして最後は胸が熱くなり涙がにじむ。面白いものを書く人は、やはり人間が面白いんだなぁ!としみじみ。最高の一冊だった。2017/03/12
sayoko
8
この本が好きすぎて図書館で借りて読んだけど改めて買いました。西荻の巨匠の一番の名作じゃないかな。笑ってちょっと泣けて元気が出る。2015/03/13