内容説明
原題にある「神々の国」(the Province of the Gods)とは、ラフカディオ・ハーンの著作より引いたものである。ハーンもまた隻眼の人であったが、著者に至っては、身体障害者であり、かつLGBTでもあり、そしてHIV患者であり、さらに日本においてはガイジン(ユダヤ系米国人)として見られ、いわば究極のマイノリティと言っても過言ではない。その著者が、日本では、米国社会にはない不思議な「居心地の良さ」を感じ、その背景に、日本神話の中には「障害を持つ神」がいることに着目する。そして、この印象の深層を掘り起こすため様々な人々と出会い、全国各地を訪ね歩く。しかしそれは、人生最大の苦難に遭遇し、深い暗闇の中から抜け出すための、癒しの旅でもあったのだ。究極のマイノリティによる日本印象記。
目次
プロローグ:神々の国で
1 浮遊(玄関;おみくじ;バリアフリー ほか)
2 遠く離れて(宣告の前;宣告の後)
3 世界(名残;二羽の片翼の鳥;歴史は創られる、または蛭子の言うこと ほか)
エピローグ:行列
著者等紹介
フリース,ケニー[フリース,ケニー] [Fries,Kenny]
グスタヴス・マイヤーズ人権問題研究所の偏見と人権の研究名作賞を受賞し、ヒューストン・グランド・オペラから委嘱されたオペラ“The Memory Stone”(石の記憶)の脚本を手がける。日米友好基金と全米芸術基金の芸術家交換プログラムのフェローとなり、二度のフルブライト奨学生(日本とドイツ)であり、クリエイティブ・キャピタル、ならびにDAAD(ドイツ学術交流会)、カナダ芸術評議会、オンタリオ芸術評議会、トロント芸術評議会の助成を受けた。ゴダード大学のクリエイティブ・ライティング・プログラムで、MFA(美術学修士)として教鞭をとる
古畑正孝[フルハタマサタカ]
1945年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学科卒業。横浜市役所、国際交流協会等を経て、翻訳者として現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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