内容説明
絵と言葉のアラベスク。花・木・草・果実・六十余種。インドの息吹が聞える。植物事典。
目次
つる草の腕輪―チョウマメ
ラクシュミーの乳房―ベルノキ
花の雨―サラノキ
木の結婚式―インドボダイジュ
締め殺しの木―バンヤンジュ
コウモリの大好物―ナガバキダチオウソウカ
春を告げる花―ハナモツヤクノキ
もっとも神聖な植物―カミメボウキ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
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著者が1970年代に留学したベンガルでの思い出を中心にしたインドの植物誌。ベンガルは「ブリタニカ百科事典」を参考にした六つのインド亜大陸の気候帯の中では「もっともインドらしいといえる植生」であるガンガー平野植物地方であり、日本人にも聞き覚えのある仏跡も多くここにある。本書に紹介される植物もまた、仏典を通してその名を広められたものも多い。但し、菩提樹の様に名前と実物が別物で伝わった例も。閻浮提は「紫太桃の生る処」。さらっと「アルジュナ」なる木があるとされてるのだが実在しないんじゃなかったんですか中村元先生!2017/03/10