内容説明
都筑道夫“ミステリ評論”の精髄!!EQMM連載「ぺいぱあ・ないふ」も収録。
目次
ライス夫人とその作風―クレイグ・ライス『大あたり殺人事件』
ミセス・サスペンス―シャーロット・アームストロング『疑われざる者』
名探偵とその親たち―『名探偵登場(4)』
チャンドラーおぼえがき―レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
幽霊陳列室―『幻想と怪奇(1)』
幽霊たちの舞踏会―『幻想と怪奇(2)』
アリンガムへの花束―マージェリー・アリンガム『判事への花束』
「伯母の死」の占める位置―C・H・B・キッチン『伯母の死』
あやかしの詩人―夢野久作『ドグラ・マグラ』
ハードボイルドとはなにか―J・R・マクドナルド『犠牲者は誰だ』〔ほか〕
著者等紹介
都筑道夫[ツズキミチオ]
昭和4年東京生(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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KAZOO
95
購入したときには感想を書いていなかったので、再読した今回少し書いてみます。EQMM初代の編集長で、007を含む数々の海外ミステリーを紹介して、ポケミスに解説をこのような形で書かれていて本当に読みたくなる気がします。いくつかは読んだことがあるのですが、都筑さんはこれだけのものを読んでその後ご自分の作品をものにしたわけで、ここでの読み込みがその後についながったのだともいえるのでしょう。2015/09/24
ホームズ
8
気になったものを拾い読み(笑)皆が読んで楽しめるようなものではありませんね(笑)マニアックな人でないと楽しめないと思います(笑)昔の本の解説なので題名が古かったりまだ訳されていなかったり(笑)チャンドラーの『プレイバック』が(笑)2010/08/28
いちはじめ
4
まず、都筑道夫のポケミスに書いた全解説とEQMM日本語版に連載したコラム「ぺいぱあ・ないふ」を1冊にまとめようという企画が素晴らしい。編者の小森収の編集方針も立派。索引もしっかりしている。ポケミス風の装丁もいいが、これ、早川書房の許可を得たんだろうか? それにしても、もし都筑道夫がいなかったら、日本のミステリ、SFはどうなっていただろうと思ってしまう。2009/03/02
midnightbluesky
3
ハードボイルドに関する考察記述は貴重だが、ハードボイルド自体が過去のジャンルとなりつつなることを実感してしまい、ちょっと悲しい(T_T)2011/04/29
スターライト
3
こういったものの出版は難しい。本書の大部分を占めるポケミスの解説は、その作品については言うまでもなく、作者の経歴や書誌データも含んでおり、連載コラム「ぺいぱあ・ないふ」は当時の未訳作品の紹介なのである。しかもほぼ50年前の文章。ネットで誰でもある程度の情報がほぼリアルタイムで得られる現在ならともかく、都筑氏がこれらの解説やコラムを書いた当時は限られた情報しかないはずで、都筑氏の苦闘ぶりが随所にうかがわれる。「これぞ都筑節」と呼べるものも特にないようなので、正直、都筑氏ファン・ミステリ翻訳史に興味のある人以2010/02/28