娘に語るお父さんの戦記―南の島の戦争の話

  • ポイントキャンペーン

娘に語るお父さんの戦記―南の島の戦争の話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 223p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784916117359
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

出版社内容情報

小林なにがしの「戦争論」は、戦争がかっこいいかのように扱っているが、水木しげるの体験した戦争は地獄絵そのものの世界だった。南方の戦場で片腕を失い、奇跡の生還をした水木上等兵の「迫真の戦争」を描いた自伝。イラスト90枚入り。

 目 次

入   隊
最 前 線
丘 の 上
土人部落
別   れ
戦後の生活
小さな天国
〈初版〉あとがき
〈絵本版〉旧版あとがき
〈絵本版〉新装改訂版あとがき



〈絵本版〉新装改訂版あとがき

 あれから、五十年も歳月が過ぎてしまって南方のトペトロ一家も、エパロムという娘一家を残すだけになってしまった。
 この前、エパロムから手紙がきて「お前も、もう死ぬだろうから早くこちらに会いにきてくれ」
という意味がかいてあったが、こちらの娘も成長して大人になってしまった。
 あの頃はみな元気だし、南方の陽ざしのきつい下でジャングルの木々をみるととても美しかったものだ。
 戦争のお陰で随分いい体験をしたと今頃になって思っている。
 要するに世界中の人間はそんなに悪い人間なんかいないような気がするのも、善良な彼等とつきあっていたせいかもしれない。
             一九九九年三月十九日
                    水木しげる


この本での水木さんのイラストは、大変な迫力。戦争がリアルに描かれている。

内容説明

南方の戦場で片腕を失い、奇蹟の生還をした水木上等兵。土人(つちのひと)から「パウロ」と呼ばれ、小さな島の住人になることを誓う…。

目次

入隊
最前戦
丘の上
土人部落
別れ
戦後の生活
小さな天国

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

33
水木先生らしい朴訥とした語り口。何度も読んでいる体験記だけれど、娘さんへというタイトル通り、「お父ちゃん」称で語られていて、とても身近に感じられた。うんちのきらきらした描写。天国のような現地住民との交流。晩年は戦争の話ばかりしていたという水木先生の心を思った。読み友さんの感想を読んで。2022/09/20

読書の鬼-ヤンマ

1
1999年4月20日第1刷、図書館本。7月9日NHK”あの人に会いたい水木しげる(漫画家)"を視た。約80枚の絵、一つ一つの点で描かれた戦争。親しみを込めた原住民(水木氏は、”土人(自然の中で土と共に生きる人、大地の民)"の点描画。その争いで戦う相手は、アメリカ兵やオーストラリア兵。加えて日本の中での古兵(上官)と初年兵(水木氏)との間でも争う。更に更に、愛着ある“土人”さえもスパイとして日本兵を殺戮する。戦争には、敵と味方がある。日本の戦国時代、東(徳川)と西(豊臣)、どちらが敵で、どちらが味方か? 2022/07/23

teitowoaruku

1
兵隊は戦況とか上陸したところがどんなところで、将来どうするのかとかはいっさい知らされなかった。だからこそ絶望的な状況でも、希望を持って生活をすることができたのかもしれない。2021/01/08

sin1row

0
生かされている、それを実感できることは本当に少ないと思う。戦時中の貴重な軍隊内の様子などは読みごたえがある。原住民との交流もその人柄があったからこそだと思う。改めて現在は恵まれていると感じさせられると同時にこれらの事実、戦争についての記憶は語りついでいかなければならないことだし、私たちも知る努力を続けて行かなければならないと感じた。 2015/11/23

やまた

0
太平洋戦争は4年間年中続いていたはずなのに何故か夏になると戦記物が読みたくなる。「水木しげるのラバウル戦記」と続けて読んだけど前半の挿絵・内容はほぼ同じでした。お子さん向けということで慰安婦のくだりが消えていたり遺体の表現がマイルドになっていたりする。中盤は復員→療養期間後の東京での極貧生活について。紙幅の関係かかなり端的につめこまれているのでやや物足りない気もする。後半はトペトロとの約束を果たすためにニューブリテン島に戻った後の話。人間本来の幸福について説教臭さは微塵もなく著者は語り掛けてくれる。2022/08/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/217810
  • ご注意事項