内容説明
ナショナリズムが高揚し、軍国主義へと傾斜していった時代、権力からの要請に直面した映画の、協力やためらい、あるいは逸脱とは。
目次
ナショナリズムと国策映画
“小春日和の平和”における非常時―映画『非常時日本』のイデオロギー
風景の(再)発見―伊丹万作と『新しき土』
身体の「無力さ」と「声」としての権力―『五人の斥候兵』論
『路傍の石』と文部省教化映画―出世ならざる吾一の“出世譚”
長谷川一夫と山田五十鈴―戦時下におけるロマンティシズムの興隆
“日本”の二つの顔―『医者のゐない村』と日中戦争期の農村
戦時下のニュース映画―『同盟ニユース』再考
アヴァンギャルド映画の受容をめぐる左翼と天皇主義者
日本映画と全体主義―津村秀夫の映画批評をめぐって
木下映画における国策と逸脱―男性たちの「男性性」
音楽映画の行方―日中戦争から大東亜戦争へ
著者等紹介
岩本憲児[イワモトケンジ]
早稲田大学文学部教授。専攻は映画史・映像論
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