内容説明
シルクロードブームを牽引し、人々に西域の夢とロマンを届けた井上靖。足を踏み入れたことのなかった西域を、作家はどのように描いたのか。典拠資料と作品の詳細な比較から、史実と想像力がせめぎあう歴史小説創作の秘密に迫る。宮澤賢治と松岡譲の西域物もあわせて論じる。
目次
総論
1 井上靖の西域物の誕生(西域物の源泉―「漆胡樽」;対の器物から生まれた作品―「玉碗記」;西域で活躍した人物―「異域の人」の班超)
2 井上靖の西域物の発展と変遷(「楼蘭」と『敦煌』;西域の水・河(川)を描く作品―「洪水」
史実に即した作品―後期の西域物)
3 日本近代文学における西域物(宮澤賢治の西域物;松岡譲の西域物)
まとめと今後の課題
4 付録
著者等紹介
劉東波[リュウトウハ]
1989年、中国甘粛省生まれ。2019年に新潟大学博士後期課程修了、博士号(文学)取得。国際日本文化研究センター共同研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、新潟大学博士研究員を経て、現在は南京大学外国語学院の助理研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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