目次
肉を咥えた犬と行動心理学者のお話
ウサギとカメとなぜかタヌキの話
北風と太陽とお嬢さん
「みにくいアヒルの子」と「得がたいアヒルの子」
みっつのお願いとひとつの現実
農業アリと音楽業キリギリスと文筆業イモムシのお話
著者等紹介
五味太郎[ゴミタロウ]
1945年、東京都生まれ。絵本作家。桑沢デザイン研究所ID科卒業。絵本を中心とした創作活動を続け、380冊を超える作品を発表。海外でも50数種類の本が翻訳され、10数カ国で出版されている。『かくしたのだあれ』『たべたのだあれ』でサンケイ児童出版文化賞、『仔牛の春』でボローニャ国際絵本原画展賞、エッセイ『ときどきの少年』で路傍の石文学賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
68
むかし話を大人目線で語ると、色んな伏線が見えてくる。みんなが知ってるお話しが、新たな登場人物が出てきて、ちょっとひねりを入れた展開で、教訓もなにもない、新たなお話しになってしまいました。独特なモノクロームな絵がシュールな世界を現わしています。「北風と太陽とお嬢さん」「みっつのお願いとひとつの現実」が好み。2019/12/04
キジネコ
46
発作的に読了です。表紙に目を凝らして頂ければ犬と兎と太陽と蟻と醜い(失礼)アヒルの子等が一癖有り気な目つきで描かれております。なにせ五味太郎さんですし。他にも女神様やワニや狸も本編に登場し実に賑々しく「知ってた筈の有名な話」の裏側が暴露されます。子供達の教育的な見地を慮れば決して見せてはならぬ禁書配慮…と呟いて、不図思うのは近頃の御子達の逞しき情操には本書の方がズットモット教育的であり現実的であるのではないか?と徒然…の私なのです。特に犠牲的妥協に甘んじる女神さまの日々に差す疑問に痛く同情する次第です。2021/10/19
ちえ
44
ブラックユーモアたっぷり。五味太郎の大人絵本。「肉をくわえた犬と行動心理学者のお話」「ウサギとカメとなぜかタヌキの話」「北風と太陽とお嬢さん」「みにくいアヒルの子と得がたいアヒルの子」「みっつのお願いとひとつの現実」「農業アリと音楽家キリギリスと文筆業イモムシのお話」五味さんの絵は勿論、それぞれ活字体が違うとか細かく凝っていて見返しても楽しい。2019/11/02
れっつ
35
これは大人の絵本、シリーズ弐作目!本の大きさの割に軽々と手に馴染むのが、まるで内容とリンクしてるよう(笑)。むかし話をもとに五味太郎さんならではの現実的解釈と新しい発想や展開を盛り込んだ6編に、今回も頷きながら時にクスッと、時にゾワっと楽しませてもらいました。今の社会問題や世相を表しているような話もあり、上への忖度にまみれたメディア制作あるある、主張・価値観が目まぐるしく変わる同調圧力、こんなはずじゃなかった、など流石五味さん鋭い視点。今を、子どもに語れるむかし話にできるよう大人は考えて行動しないとなぁ。2020/09/21
ヒラP@ehon.gohon
30
絵本というよりも、五味太郎さんが昔話をまぜ返している本です。 お話の内容というよりも、五味太郎さんの思考回路を楽しむ本です。 よくもこんな事を思いつくものだとあきれたりしましたが、この思考回路が、五味太郎さんの作品の根幹だと思ったら、ちょっと愉快になりました。2021/08/05