出版社内容情報
世界を組み替えるモノ派の冒険、〈もの〉づくり半世紀のドキュメント■ 1960年末、美は額縁はおろか美術館にさえ収まらず、都市景観の中に流出し始めた。その動向=モノ派を主導し、今日に至る作品行為をとおして、現代美術の太い潮流にまで育てあげた作家の、「ものと場」をめぐる思考の集大成。
■ 〈もの〉は、道具の手前に、商品である以前に、在る。その在り方は、私たちの意識を喚起し、むしろ包み込む場所の消息を伝えている……木に目がなり、石に意識が宿るかのように。四十数年にわたって「つくり」つつ、傍らに吐息のように紡がれた思索、その切っ先は存在論や、禅仏教の見性と切り結ぶ。
目 次
序 章 はじまりの無限 第二章 界面周航
1 無限 1 リアリティへの旅
2 無名性 2 アクティヴェーション考
3 界面と縁 3 周囲考
第一章 場所 ものの一歩手前 4 素材論 周囲に沿って、モノは渡る
1 樹間の位置 5 内と外の界面 周辺を束ねて、界端を開く
2 水に宿る月 第三章 見えないものを
3 場の現成 1 見えない世界
4 場の論理 アースワークによせて 2 差異と全体
5 場と空 3 次元のすき間
終 章 つくる
菅木志雄[スガキシオ]
1944年, 岩手県盛岡市生まれ. 1968年, 多摩美術大学絵画科卒業. 在学中の67年, 第11回シェル美術賞展一等賞(第一席)受賞. 69年, 『美術手帖』が募集した「芸術評論」に応募し, 佳作入選. この年, 詩人・小説家の富岡多惠子と結婚. 70年, 第5回ジャパン・アートフェスティバル大賞受賞. 82-89年, 多摩美術大学講師を務める. 94年, 静岡県伊東市十足にスタジオを設ける. 99年, 映画『存在と殺人』(監督・脚本)を制作(横浜美術館). 2000年, 小説『渡海鳴鳥』(講談社)刊行. 2012年11月, Blum & Poeギャラリーにて, アメリカで初めての個展. 2014
年11月, ヴァンジ彫刻庭園美術館, 2015年1月, 東京都現代美術館にて, それぞれ個展開催.
内容説明
“もの”に目がなり、場に意識が宿る。見ること、知ることを“放置”し、在ることの気配に耳を澄ます、“モノ派”、半世紀の批評集成。
目次
序章 はじまりの無限(無限;無名性;界面と縁)
第1章 場所 ものの一歩手前(樹間の位置;水に宿る月;場の現成;場の論理―アースワークによせて;場と空)
第2章 界面周航(リアリティへの旅;アクティヴェーション考;周囲考;素材論 周囲に沿って、モノは渡る;内と外の界面 周辺を束ねて、界端を開く)
第3章 見えないものを(見えない世界;差異と全体;次元のすき間)
終章 つくる
著者等紹介
菅木志雄[スガキシオ]
1944年、岩手県盛岡市生まれ。1968年、多摩美術大学絵画科卒業。在学中の67年、第11回シェル美術賞一等賞(第一席)受賞。69年、『美術手帖』が募集の「芸術評論」に佳作入選。70年、第5回ジャパン・アートフェスティバル大賞受賞。82‐89年、多摩美術大学講師。94年、静岡県伊東市十足にスタジオを設ける。99年、映画『存在と殺人』(監督・脚本)を制作(横浜美術館)。2000年、小説『渡海鳴鳥』(講談社)刊行。2009‐13年、金沢美術工芸大学大学院教授。2015年、毎日芸術賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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