内容説明
国際社会において主要各国は国益の追求と名誉ある地位を保全するため「国際世論」に自国の正当性を訴え、一方で「敵」と定めた相手国のイメージを「悪」一色に染め上げ孤立させるべくマイナス情報を巧みに活用した“情報戦”を日々展開している。この“情報戦”の主役こそ「プロパガンダ」である。本著は「プロパガンダ」を善悪の視点からではなく“もう一つの戦争”として捉え、その正しい認識こそが国際社会を読み解く鍵である事を詳らかにするとともに、“情報戦”に疎い日本の現状を憂う警醒の書ともなっている。
目次
第1章 プロパガンダ(宣伝)とは
第2章 原則と技法
第3章 プロパガンダの歴史(前史;第一次大戦―イギリス情報省;第二次大戦―ナチス対BBCアメリカの対日情報戦;帝国日本のプロパガンダ―大本営発表;日本人再教育プラン―アメリカの日本占領;冷戦―RLとRFE)
第4章 情報最前線―現代アメリカの戦時プロパガンダ
第5章 日本の現状と改革
著者等紹介
里見脩[サトミシュウ]
昭和23年福島県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。現在、秀明大学特任教授、跡見学園女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
27
洗脳 煽動 プロパガンダ 教育 啓蒙.. 個々の単語に対するイメージはかなり異なるとは思うが、情報による心理の支配としては同じものである。同じ価値観の刷り込みと、その逆に対する嫌悪と憎悪。つい最近のSNS全盛の時代にマッチしているが、本書は約15年前の刊行。大衆を思い通りに操る自国や他国からの情報工作。特に戦時に活発に工作されるが、平時も当然行われている。その巧妙な仕掛けと作用、各国の特徴、過去の経緯と実績が挙げられる。個人ではリテラシーを上げることが肝要だが、騙される前に情報の海で溺死する可能性もある。2019/05/04
marukidou_sado
1
プロパガンダという言葉の持つ意味から始まり、宣伝戦の歴史と評価、そして最後に日本の現状を説明する総合的な内容です。最も重要な指摘は、冷戦が終結した現在においてもプロパガンダは行われているということです。どれがプロパガンダで、どれがプロパガンダでないのか、それを見極めるのは非常に難しいことですが、この本はその一助になると思います。SNS全盛期である現代において、プロパガンダはどう作用するか、そして何を意味するかを考えてみると面白いかもしれません。オススメです。2017/09/29
ゴジラ 芹沢
1
スローガンがゲール語で軍隊叫ぶという意味だったの初耳。各国が行ってきたプロパガンダの特徴の差は面白い。2015/12/05
tkm66
0
ま、それなりに、だったのかな。2005/12/18