内容説明
一九六一年、初めて上京した日、新宿駅東口二幸前の雑踏のさなか、大きなボストンバッグを手に、一人途方に暮れていた。あれから四十五年、人々の光彩が渦巻くこの街で、いまもまだ一人途方に暮れている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェリ
6
ざらざらなんだけど艶がある。それが森山大道の新宿なんだと思う。まさに「通過者の視線」でからめとったスナップである。それから、猫。都会に猫はふさわしい。そんなスナップもいくつかあったが、猫好きが写すそれとは別物だ。2016/04/12
MM
2
吐き気がするほどロマンチックだぜ。みんななぜか貫禄があるようにみえる不思議。 (実際上京してきて新宿とか都内に吐瀉のあとが多くてびっくりしている。)2013/11/18
TOMYTOMY
1
パリの写真よりも一層踏み込んでいるような。 彼のホームで、彼しか切り取れない一瞬。 浄化される都市、もう一度大道の写真を考え直すのも良いはず、2019/04/28
hobby no book
1
何気なく切り取られた異物感や、モノクロによる時代感の欠如が魅力。2017/09/17
Koki Miyachi
1
2002年刊行の「新宿」に、以降の写真が追加された。判型ハガキサイズ。大量の断片的な写真で新宿の中を疾走するかの如し。2015/05/10