内容説明
「無残に破壊された哲学」その再興へカントは立ち向かった。不可能を可能に変えた男の強靱な思想と、知られざる生涯。
目次
カント思想の背景
カント生涯と作品
結び
カントの言葉
哲学史重要年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rigmarole
5
印象度B+。遥か昔に齧って挫折したカント哲学をざっくりとおさらいするにはよかったかも。デカルトなら平易なのでこのシリーズを読まなくとも直接『方法序説』を読めばいいでしょうが、本書は解説書としての役割を十分に果たしていると思います。しかしあの長大な三批判書の内容が本文中ではわずか20頁にまとめられているので、表面的で著者のバイアスの強い批判的な要約になっているのは否めないか。他書に比して少なめの伝記的記述に関しては、幾つかの既知の逸話以外に、生涯を貫く彼の気質を捉えており、これはこれとして得るところあり。2016/07/15
ろびん
2
入門書未満のこの時点で既に苦手意識が凄い……頑張ろう……。2020/02/01
オランジーナ@
2
確かに、90分くらいで読めたがわかるまでは言い過ぎ。2017/10/09
きぬりん
1
カントの伝記の紹介を軸としつつ、その思想内容を簡潔に紹介。同シリーズの他の哲学者に比べて、カントの人物像に対する心理的・精神分析的な考察の比重が大きくなっており、幼少期の家庭、とりわけ母親のピエティスムス的生育環境が、カントの人格形成とその哲学に後年まで大きな影響を及ぼしたという標準的な見方が紹介されている。思想内容の紹介については、第一批判の極々基本的な発想をヒュームの懐疑論と対比しつつ上手く紹介していると思うが、第二・第三批判の紹介は簡潔にすぎるのと極度の単純化のため、かなり分かりづらい印象。2020/12/30
denden
1
96年に出版され、よく売れた本だそうだが初めて読んだ。なるほど、他の入門書とは違うアプローチと語り口で面白い。入門書のベストセラーと言えばソフィーの世界が91年発売だから、その後継を狙ったとも言えなくはない。90分は無理かもしれないが、2時間もあれば読めると思う。理解は別として・・実生活では時計のような散歩など話題が多いカントであれば、初めて知ることはむしろ少ないかもしれない。哲学の知るには既に多くの著書もあり、敢えてこの書を選ぶ必要があるかどうかは首を傾げる。無名哲学者でのシリーズ化を望みたかった。2019/02/28