内容説明
中国西部・青海省のチベット系住民はヤクや羊の放牧を生業としつつ、他村との家畜や境界をめぐる争いの際には、調停を基本とする慣習法の体系に従ってきた。現地出身の著者が当該地域に分け入り、当事者からの詳細な聞き取りや文書の確認によって、現代中国による支配がそこに及ぼした変容と伝統的な紛争解決方法の存続について明らかにする。実証に基づく文化人類学的研究。
目次
第1章 序論
第2章 現代チベットの地域紛争に関する研究史と主要な論点
第3章 調査対象地域の現代史と社会構造
第4章 放牧地の境界線をめぐる紛争とその解決
第5章 夏の営地をめぐる問題とその解決
第6章 考察―現代チベット社会における地域紛争の背景とその解決
第7章 結論
著者等紹介
旦却加[デンチョクジャプ]
1987年中国青海省黄南チベット族自治州同仁県生まれ。2010年青海民族大学外国語学院日本語学科卒業。2018年滋賀県立大学大学院人間文化学研究科博士課程修了。現在、青海民族大学民族学と社会学学院講師。専攻:文化人類学、チベット学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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