目次
信仰のおかげで“いい加減”になった
ヤムナ川の魚
ドバダー爺さんの悪意
ゲリラの時間
都知事の周辺
想定外のこと
十人の美女の寝顔
重広長大の感覚について
歳月の優しさ
女たちの生涯
変化のきざし
想定外の老年
長寿と超高層ビル
動じない人々
現実を見る力
爽やかな夕景
高僧の手相
明の中の暗、暗の中の明
著者等紹介
曽野綾子[ソノアヤコ]
作家。1931年、東京生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業。ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。日本芸術院賞・恩賜賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まーちゃん
46
耳に痛い、聞かずに流したい言葉もあれば、「我が意を得たり!」と軽く興奮するようなくだりもあった。私には、自分はこうだという矜持がなく、従って人の批判に耐える強さもない。自分と他人のエゴ剥き出しの要求や主張に丁々発止と渡り合える才覚もないので、とても曽野さんのような声を上げる勇気は持てないけれど。/数々の発展途上国を見てきた著者の目に映る日本の美点、日本人の好ましい資質。逆に他国を知り、戦中戦後を生きて来た著者の現代日本と日本人への苦言、提言。フラットでバランス感覚の優れた方だと思う。昨今の「想定外」を→2014/11/09
団塊シニア
44
津波は予測できないが長寿社会は予測可能だったはず、だからこそ高齢者は自分の幕引きは自分の好みで決めておくことが大切なのかもしれない。2014/05/16
岡本正行
26
夫婦で作家・小説家、ご亭主の三浦朱門の老いに関する本も読んだ。他所のこと、そういうこともあるんだ。参考に読むかって感じ。内容は忘れた。上級国民、キリスト教、庶民までには浸透していないし、日本流にいろいろ変化していると思う。大学や高校、キリスト教系も多い。日本人、どこまで理解しているか、それなりに心から信仰しているのだろう。創価学会や天理教の人、みんな自分の宗教を信じ切っている。それはそれで他人の勝手、世の中、宗教弾圧に走っている。ひとり一人が自分の信仰にのめり込むのいい、国家が介入するのはいかがなものか。2022/01/24
kiho
9
老後ということだけでなく、日本という国で生きるにあたって1人1人が考えるべきことを曾野さんの経験から教えてくれる…保険制度のこと、戦争への視点、家族というもの☆支え合う社会にあっては、権利と義務双方がなければ成り立たない!若い年代へのメッセージも含まれている。2014/08/13
ヨハネス
3
「想定外」とは、東日本大震災をきっかけにまるで流行語のように多く使われるようになった言葉。想定外だから仕方ない、に反発する人も多かったけれど曽野さんは「どうしようもないことは人生にたくさんあるのだ」とおっしゃいます。東京大空襲で曽根さんの家が焼けなかったのは、単に運がよかっただけ。あの戦争を体験した人は東日本大震災を、心の底では「戦争に比べればたいしたことない」と思っているけど口に出さないだけ。震災では「情報」が求められたけれど、戦時の情報など大本営が発表した嘘しかなかったのだし。知るべきことが沢山です。2015/05/11