内容説明
地震といえばナマズ!そのつながりは、いつ、どこから始まった?地震学者なら誰でも知っている太閤秀吉が恐れたナマズとは?江戸大地震直後に突然起こった鯰絵ブームはなにを語る。世界のナマズと日本のナマズ、そのつながりは?アフリカで見つけた子育てするナマズの不思議な生態。幻想的な繁殖・産卵行動、外来移入種とナマズの関係など。ナマズの生態から文化まで、その魅力と不思議のすべてを紹介。
目次
第1部 描かれた鯰とその系譜(鯰坊主考;幕末の浮世絵における鯰絵の系譜;縄文時代以降のナマズの分布変化;本草寺のナマズから鯰絵の鯰へ)
第2部 明かされたナマズとその生態(ナマズ類の研究史;シーボルトの足跡とナマズ;琵琶湖産二種のナマズ報告の思い出;ナマズの世界;ナマズ科の化石;ナマズ類の多様な繁殖行動―托卵ナマズと栄養卵給餌を中心に)
第3部 水辺のエコトーンをめぐる人と自然(ナマズ類の繁殖生態と水辺移行帯;琵琶湖周辺の淡水魚の分布;アジアモンスーン地域におけるエコトーン研究の展望―ベトナム北部クワァンニン省の事例を中心に;認識と文化と生き物―メコン河のプラー・ブックを例として)
著者等紹介
川那部浩哉[カワナベヒロヤ]
滋賀県立琵琶湖博物館館長。京都大学名誉教授。理学博士。専門は生態学、生物・文化多様性論。丹後半島の字川をおもなフィールドに、アフリカのタンガニイカ湖などで魚類の生態を見てきた
前畑政善[マエハタマサヨシ]
滋賀県立琵琶湖博物館上席総括学芸員。理学博士。専門は水族繁殖学・生態学。おもに稀少淡水魚の繁殖や日本産ナマズ類の繁殖生態を研究
宮本真二[ミヤモトシンジ]
滋賀県立琵琶湖博物館主任学芸員。理学博士。専門は微古生物学。おもに花粉化石の組成変化からみた古環境の変遷や遺跡の立地について研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。