新書y<br> この思想家のどこを読むのか―福沢諭吉から丸山真男まで

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この思想家のどこを読むのか―福沢諭吉から丸山真男まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784896915181
  • NDC分類 121.6
  • Cコード C0295

内容説明

思想を論じるとは何か?とりだすべきものとは何か?重要なことは、思想家なり知識人の片言隻句をとりだすことではなく発語された場所と息づかい、表現された固有の文体をともに見据えて、その意味を点検し現在によみがえらせることである。近代を代表する八名の思想家・知識人にいま思想・論壇の第一線にある学者、評論家が現在のテーマから発して、それぞれの問題意識と交差し避けてとおれない固有の問題を発見する、単なる対話を超えて切り結ぶ白熱の日本の思想家=論。

目次

第1講 福沢諭吉―一万円札のなかの風格 近代意識(佐伯啓思)
第2講 内村鑑三―望郷のさむらいクリスチャン 二つのJ(山折哲雄)
第3講 柳田国男―常かぶりの「勝てないが、負けない言葉」 経世済民(大月隆寛)
第4講 西田幾多郎―哲学の発信、世界へ 近代の超克(松本健一)
第5講 小林秀雄―批評するエロスの拠点 Xへの手紙(小浜逸郎)
第6講 三島由紀夫―「みやび」を紡いだ美のアナーキズム 仮面と肉体(高沢秀次)
第7講 吉田茂―知るやアメリカニズムの今を ワンマン宰相の蹉跌(西部邁)
第8講 丸山真男―進歩的文化人の大いなる誤読 中国古典学知らず(加地伸行)

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。滋賀大学助教授を経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。主な著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞受賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞受賞)などがある

小浜逸郎[コハマイツオ]
1947年横浜生まれ。横浜国立大学工学部卒業。批評家。家族論、学校論、思想、哲学など幅広い評論活動を展開する。主な著書に『学校の現象学のために』(大和書房)、『男はどこにいるのか』(ちくま文庫)、『無意識はどこにあるのか』(洋泉社)、『オウムと全共闘』『子どもは親が教育しろ!』(草思社)『癒しとしての死の哲学』(王国社)、『大人への条件』(ちくま新書)、『「弱者」とはだれか』(PHP新書)、『なぜ人を殺してはいけないのか』『中年男に恋はできるか』(泉洋社・新書y)ほか多数

西部邁[ニシベススム]
1939年北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。横浜国立大学助教授、東京大学教授を経て、現在評論家として旺盛な活動を続ける。『発言社』主宰。平成5年に正論大賞を受賞。主な著書に『経済倫理学序説』(中央口論社、吉野作造賞受賞)、『生まじめな戯れ』(筑摩書房、サントリー学芸賞受賞)、『歴史の復権』(東洋経済新報社)、『大衆への反逆』『福沢諭吉』(文芸春秋)、『国民の道徳』(産経新聞社)などがある

加地伸行[カジノブユキ]
1936年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業。高野山大学専任講師、名古屋大学助教授、大阪大学教授を経て、現在甲子園短期大学学長、大阪大学名誉教授。文学博士。専攻は中国哲学史。主な著書に『孔子』(集英社文庫)、『中国人の理論学』『儒教とは何か』(中公新書)、『沈黙の宗教―儒教』(筑摩書房)、『史記』(講談社現代新書)、『家族の思想』(PHP新書)なとがある
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