内容説明
北条早雲は、関東一円を支配する戦国大名に成長する北条氏の基礎をきずいた人物であり、近年、謎につつまれた若き日の早雲が、備中(岡山県)出身の伊勢盛時であることが明確になった。その子氏綱ははじめて北条姓を名乗り、小田原を本拠に領国の支配を浸透させた。本書は、長年、後北条氏関係文書を精力的に収集してきた著者が、備中、京都、駿河、伊豆、相模などでの早雲の行動を跡づけながら、伊豆進攻に隠された室町幕府との関係や家臣団の実態を明らかにし、早雲と初期北条氏の実像に迫る。
目次
第1章 北条早雲の登場
第2章 早雲の伊豆・相模の平定
第3章 北条氏綱の業績
第4章 初期北条氏の家臣たち
第5章 玉縄北条氏と玉縄衆
終章 その後の北条氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
7
タイトルには北条早雲とあるが、早雲と二代目氏綱と家臣団です。当時の最新成果をもとに解説。早雲自身も含め、父や弟が幕府の中心部にいた事なども詳細に書かれている。政治面や一部の家臣についてより詳しい。氏綱についてはほとんど寺社向けの文書しかなくわからないことが多いらしいので今後の新史料に期待したい。2018/05/03
sfこと古谷俊一
1
幕府の若手エリートだった早雲が幕府要人との連携をとりつつ活動したさまと、その子の北条氏綱および家臣の事跡を、史料よりたどる。さすが戦国遺文の後北条氏編の編集者。2009/04/26