内容説明
本書は、遊牧・移牧・放牧はもちろん、都市民となった末裔までも対象に、21世紀の牧畜の民とその家畜、社会や文化を、愛情深く丹念に追いかけた映像ドキュメンタリーである。
目次
総説=世界の牧畜から牧畜世界へ―もう一つの共生を探って
第1部 平原を駆ける(ユーラシアの心臓部、天山の山嶺から―牧畜民の来し方、いま、そして行く末は;ウマを愛でる歴史―ソ連・ロシアの経験は牧畜をどう変えたのか;牧畜民とオスマン朝、そして現代―牧畜の記憶はどう語り継がれ、扱われてきたのか)
第2部 極限に暮らす(カザフスタン・小アラル海地域での牧畜―牧畜が災害復興に果たした役割とは何か;ヒマラヤでヤクと生きる―ブータンの高地牧畜民が往来する境界とは;山と町を往還する―グローバル化はアンデス牧畜をいかに変えたか)
第3部 遊牧を生きる(トルコ遊牧民ユルックの現在―いかに、なぜ移動を続けるのか;ナイル遊牧民のライフヒストリー―キバシウシツツキはどうやって青年をふたたび立ちあがらせたのか;エチオピア牧畜民の老いの儀礼と豊饒性―老人式はどのように行われるか ほか)
資料編=基本語彙解説・関係年表