内容説明
文芸批評家であると同時に教育者でもある著者の、授業で実際に教えている積年の「ネタ」が詰まった一冊、早稲田大学文学学術院講義ネタ帖。
目次
「文学教育」について私の行っている二、三の事柄―高校国語科教員の方々へのお願い
1年次 「基礎演習」
2年次 「テクスト論」「ジャーナリズム演習」「文芸批評理論」
3・4年次 「テクスト読解・批評ゼミ」
大学院 「現代文芸研究指導」
巻末付録 必読リスト 小説編、批評編 主要自著自解
著者等紹介
渡部直己[ワタナベナオミ]
1952年東京生まれ。文芸批評家。日本ジャーナリスト専門学校、近畿大学文芸学部教授を経て、現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kubottar
11
この本を書いた人はかなり怖い人なんだろうなあと想像できる。大学で恐れられたり避けられたりするタイプの講義をするだろうが、それについてこれる学生は成長することは確か。この本は巻末の必読リスト目当てで買ったが、批評家本として常に緊張を強いられる内容で読み進むのに難儀した。(もちろんいい意味での緊張です)2023/03/18
ころこ
7
ベタな文学論ですが、圧倒されました。文学とは、本質的には実存を駆動するものだとすれば、マンガ、アニメ、ラノベといった表象も文学だと居直ったのがゼロ年代でした。著者は、ゼロ年代は頭がバカになるだけで、ある特定のエクリチュールこそが(多くのひとが文学だと思うものが)、文学だと言い切ります。例えば、手書きで原稿を書いてきた文学者が、ワープロを使っている書き手に対し、本物か偽物かを問うている感じ。例えば、坂口安吾の写真に写る乱雑に書き散らした手書き原稿の文字や、大岡昇平の書斎の写真に写る書棚の本の中身など、彼らの2017/09/11
masabi
7
分かるような分からないような。2014/08/08
ともすけ
4
ハルキストの僕には手厳しい本。しかし自分の読書レベルを計るには格好の本。1,2年レベルは軽くクリア。院生レベルになると理解はできるが書けと言われたら無理。綿矢りさはもう少し厳しく批評してもよかったと思うが渡部先生にしては甘めの印象。サルトルと谷崎が欠けているようなのでそこを補充したい。2013/01/29
iuba
4
綿矢と春樹ディスってんじゃねーぞ。(言ってみるだけ)そして自分は陽気でも利発でもないけど、って謙遜する素振りをしたくなるサブタイトル、なんのためについてるの先生? スポーツ紙へ寄せられた投書に対する返答、というか素振りのような、なんか……この企画が、とてもぬるい。言ってることの鋭さに、まるで追いつかない、このちぐはぐさが、辛うじて愛嬌を醸し出してる…のかな?2011/10/09