内容説明
時代を駆け抜け、雲外の鶴となった秋田兄弟、正岡子規。しかし、日露戦争の勝利は日本に何を残したのか。司馬遼太郎の生前より親交の厚かった谷沢永一により「もうひとつの“坂の上の雲”」が描かれる。
目次
第1章 日露開数
第2章 旅順口に広瀬、死す
第3章 旅順総攻撃
第4章 二〇三高地の激闘
第5章 バルチック艦隊の東航
第6章 日本海海戦
著者等紹介
谷沢永一[タニザワエイイチ]
1929年大阪市生まれ。評論家。書誌学者。関西大学名誉教授。関西大学国文科大学院博士課程修了。在学中に開高健、向井敏らとともに同人誌「えんぴつ」を創刊。関西大学文学部教授を務めた後、1991年に退職。専攻の日本近代文学、書誌学の分野はもとより、該博な知識に裏打ちされた社会評論には定評がある。『完本紙つぶて』でのサントリー学藝賞をはじめ、読売文学賞(『文豪たちの大喧嘩』)、毎日書評賞(『紙つぶて 自作自注最終版』)、大阪市民表彰文化功労賞、大阪文化賞など各賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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坂の上の雲を読み始め、関連書を何冊か読むことにした。司馬史観というものがあることは分かっており、坂の上の雲はあくまでも司馬史観に基づいたフィクションである。だからこそ事実を認識の上読み解くことが、より司馬氏の思想を知る上でも必要と考えるに至り、本書を手にした。秋山の存在こそ知っていたが、東郷や乃木の参謀として、智略を講じた人物としての理解しかなかった。況して兄弟で二人居た事は、坂の上の雲を読むまで知らなかった。それだけ明治という時代に興味が薄かったと言える。本書は坂の上の雲の時代を俯瞰するには良いと思う。2013/10/14