内容説明
1960年クーデター前後の政治・経済の混乱により、言論統制、戒厳令、警察の横暴、官僚主義などが横行するトルコ社会において、シニカルな「笑い」を通じて批判的視点を提示し、幾度も逮捕・投獄されながら、ユーモア作家として国際的名声を築いた作家ネスィンの珠玉の作品16篇を初邦訳。
著者等紹介
ネスィン,アズィズ[ネスィン,アズィズ] [Nesin,Aziz]
1916年1月(一説では、1915年12月)、トルコのイスタンブル生まれの作家。14歳でチェンゲルリキョイ軍人学校に入り、36年からはアンカラの士官学校、つづいてイスタンブルの工科技術学校に学ぶ。39年からは少尉、将校として各地で勤務。44年に職権乱用の罪で逮捕され、服役を経て、軍を罷免される。出所後は、様々な仕事を経て、『イェディギュン(7日)』誌や『カラギョズ』誌、『タン(曙)』紙で、編集や執筆に携わるようになる
護雅夫[モリマサオ]
1921‐1996年。東洋史学者、東京大学名誉教授。滋賀県に生まれる。北海道大学助教授、東京大学助教授・教授、日本大学教授を歴任。レニングラード大学(ソ連)、イスタンブル大学(トルコ)客員教授も務める。『古代トルコ民族史研究』で1970年に第60回日本学士院賞を受賞。1992年より日本学士院会員。トルコ科学アカデミー名誉会員。東洋文庫ユネスコ東アジア文化研究センター所長、史学会理事長、東方学会理事長(1985‐1991年)、中近東文化センター理事長、古代オリエント博物館理事、日中文化交流協会常任理事、日本学術会議第13期会員等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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