内容説明
倒れて後の全ての詩を集成。著者の渾身の叫び―2001年に脳梗塞で倒れて以後、声を喪いながらも奇蹟的に生還し、新作能作者として、リハビリ闘争の中心として、不随の身体を抱えて生き抜いた著者が、2010年の死に至るまで、全心身を傾注して書き継いだ詩の全て。
目次
歌占
新しい赦しの国
二〇〇一年の終わりに
影の行方―小島章司のフラメンコ『Encuentro(邂逅)』を見て
二〇〇二年十二月二十三日
雨と女―山本順之の『定家』を見て
死者たちの復権―麿赤兒の舞踏『大駱駝艦』を見て
泥の人―森山開次のダンス『月日記』を見て
アフガニスタンの朝長―友枝昭世の『朝長』を見て
神様は不在〔ほか〕
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
1934年、茨城県結城市生まれ。東京大学名誉教授。専攻・免疫学。元・国際免疫学会連合会長。1959年千葉大学医学部卒業。同大学医学部教授、東京大学医学部教授を歴任。71年、免疫応答を調整するサプレッサー(抑制)T細胞を発見、野口英世記念医学賞、エミール・フォン・ベーリング賞、朝日賞など多数受賞。84年文化功労者。能に造詣が深く、舞台で小鼓を自ら打ち、また『無明の井』『望恨歌』『一石仙人』などの新作能を手がけている。2001年5月2日、出張先の金沢で脳梗塞に倒れ、右半身麻痺と仮性球麻痺の後遺症で構音障害、嚥下障害となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。