内容説明
環境問題はなぜ「問題」か?気鋭のヘーゲル研究者が、建前だけの理想論ではなく、我々の欲望を踏まえた本音の部分から「環境問題」に向き合い、既存の環境経済学・倫理学を超え、環境倫理のより強固な基盤を探る。
目次
第1章 ヘーゲル国家論と地球環境問題(三十年という時間;国家間の関係―カントとヘーゲル ほか)
第2章 飢餓と民主主義の倫理(食糧問題と「救命艇倫理」;他者と共同する利己主義者 ほか)
第3章 未来問題という難問(「冬のコガネムシ」としての未来世代;「未来世代の権利に対する我々の義務」として? ほか)
第4章 環境VS経済(経済と環境のトレードオフ関係;効果をもたない環境税 ほか)
第5章 経済から倫理へ、法へ、政治へ―環境経済学と環境倫理学を超えて(具体化が求められるシューマッハー構想;環境を市場化することの不可能性―環境経済学批判 ほか)
著者等紹介
笹沢豊[ササザワユタカ]
1950年茨城県生まれ。東京大学文学部卒業。文学博士。現在、筑波大学教授(倫理学)。『ヘーゲル哲学形成の過程と論理』(晢書房、日本倫理学会「和辻賞」受賞)などがある
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