内容説明
歴史観、世界観に画期的な転換をもたらしつつある歴史人口学と家族史。この分野の発展に多大に寄与しながら未邦訳の最重要文献を精選。歴史人口学成立期の模索とその革新性を伝えるローゼンタール論文、ミクロ資料の活用から新境地を開いたアンリの重要論文、近代化・経済体制と家族構造の関連を示唆するヘイナルの諸論文を始め、この分野の基礎概念、方法論とその先進性をコンパクトに提示する必備書。
目次
第1部 歴史人口学とは何か―資料・目的・方法(人口史から歴史人口学へ―一九四五‐一九五八年のフランス;歴史人口学の展開)
第2部 プリンストン・プロジェクト―ヨーロッパにおける出生力低下の探究(一八世紀以降の出生力低下;出生制限グループの先駆;人口転換と乳児死亡率;人口転換期の都市・農村間の出生力の差異)
第3部 歴史人口学の成果―家族復元法とは何か(自然出生力とは何か;家族復元法によるイングランド人口史;前工業化期イングランドの婚姻出生力)
第4部 家族史―家族・結婚・奉公(世帯構造とは何か;ヨーロッパ型結婚形態の起源;前工業化期における二つの世帯形成システム)
著者等紹介
速水融[ハヤミアキラ]
1929年生。1950年慶応義塾大学卒業。1953年慶応義塾大学大学院経済学研究科退学。日本常民文化研究所研究員、慶応義塾大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、慶応義塾大学名誉教授、麗沢大学教授。日本学士院会員。経済学博士。経済史・歴史人口学
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