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内容説明
風をきき光を映す多彩な表現でざわめききらめく賢治の詩作3篇と対話する。まず立ちどまり、そしてまわりのようすをよくごらん、といってくれるよう…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
179
宮沢賢治さんの静かで深く繊細な世界*装丁の銀河が綺麗でこの世界観によく似合う。校本どおりの旧かなづかいとのことで少し難しいところもありました。でもこの旧かなづかいそのままがこの独特な雰囲気、リズムを生み出していると思います。とても心地よくて素敵*小林敏也さんの絵が宮沢賢治の描く詩に優しく寄り添い心の中に入り込んでくる。ほぼ正方形の本で紙質まで拘りを感じられます。特に印象に残ったのは「永訣の朝」「空明と傷痍」「何と云はれても」「生徒諸君に寄せる」「心象スケッチ 林中乱思」「雨ニモマケズ」。38の賢治の宇宙*2016/05/27
優希
103
美しい世界が愛おしくなります。静かで線の細さがありつつ、凛とした雰囲気の漂う絵と38人の賢治。冷たい輝きの銀河宇宙が賢治の全て。孤独から生まれる儚さは手を触れれば壊れそうなガラス細工のようなのに、包まれているような感覚。イーハトーブの自然の中で生きてきた賢治だからこそ歌える歌。その調べが心の中に染み入る感覚が好き。寂しさとキリッとした鋭さ、鈴の音の柔らかさの調和が心地よい調べを奏でていく。2016/05/21
かりさ
97
宮沢賢治の言葉の調べは、ひんやりと美しい夜空に浮かぶ硬質な星々と、やわらかく光り輝く月。孤独の中から生み出された賢治の世界。そこに寄り添う大切な存在が導く光。私の中の賢治の色彩は、まさにこの賢治宇宙の装幀の色です。自然と対話し、その自然を豊かに綴った賢治の作品と、小林敏也さんの繊細な版画の見事な調和。今は無きパロル舎というだけで宝のように思えます。春と修羅、永訣の朝、星めぐりの歌、空明と傷痍…好きな言葉の欠片たちはぴかぴかと宵闇の星のように心を照らしてくれます。2016/04/27
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
52
84/100点 図書館で読んだのですが、まずは素敵な装丁の本だなと思いました。中身も賢治の独特のリズム感を持った詩と、小林氏の繊細で少し硬質な絵が良くマッチしていて素晴らしい一冊に仕上がっていると感じました。2016/07/29
キジネコ
38
詩画集です。この二人が造る宇宙が私の中の私をふるわせます。見つかったら送ってと頼んでおいた本。頼んだことを忘れていました。中表紙の裏側に猫のイタズラ書き?印刷?作家のサイン?「としや」の添え書き、その興趣が私の扉を開く鍵となりました。詩の行間、ゑの陰翳・余白。手の中の宇宙に呑み込まれて本と私の境界がなくなり、私は宇宙に属し旅する量子となる。「ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイウモノニ ワタシハナリタイ」知ってた筈の【雨にも負けず」の数行が、随分と心に沁みました。2023/04/17