内容説明
無用機械、肉体言語、霊媒、サーカス、市街劇…。“演劇は社会科学を挑発する”として過激な奔走を続けた寺山修司が、来たるべき未来へ遺した、めくるめく演劇論集。
目次
不在の対話―プロローグ
1 方法としての肉体言語
(肉体言語の私性;臓器交換序説;無化の影;死体論;偶然性のエクリチュール)
2 機械仕掛の俳優のための花嫁
(カントール―生身の俳優を追放せよ;ルーセル―機械のメロドラマ;機械―逆エディプス;アルト―わが残酷演劇宣言)
3 市街劇による挑発(〈半世界〉表現カタログ集;観客席の演劇;スキャンダル―市街劇の戦略;『地球空洞説』の地誌学;『1メートル四方1時間国家』の喩;書簡演劇の小宇宙)
4 霊媒師のターブル(旅役者の記録;女形の毛深さ;空気女の時間誌;サーカスと道化;呪術師たちの逆宇宙)
5 犯罪の演劇化
(犯罪における「観客」の研究)
喩の贈与―エピローグ