内容説明
1999年カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞作品、アレクサンドル・ソクーロフ監督『モレク神』。20世紀は科学文明の発達と民主主義が世界中に浸透した、啓蒙の世紀であったとされる。だが一方でそれはナショナリズムと思想の対立が血みどろの抗争を引き起こした時代でもあった。その負の遺産の中心に、アドルフ・ヒトラーがいる。『モレク神』はその人間ヒトラーをあえて描こうとする映画だ。
目次
20世紀のレクイエムのために
ヒトラーは絶え間なく世に出没する
ヒトラーの虚像と実像
ヒトラー資料集
アメリカ戦時情報局による精神分析
ヒトラー、あるいはナチス映画
戯画化されたヒトラー
ヒトラーの遺言書
『モレク神』の世界
プロダクション・ノート
『モレク神』を見る
『牡牛座』のほうへ
アレクサンドル・ソクーロフ監督インタヴュー
『モレク神』文学台本